温家宝首相は今年の『政府活動報告』で省エネと排出量削減を経済成長方式の転換を速め、経済構造の最適化を調整する主要対策にしています。関係学者は、省エネと排出削減は中国の成長方式転換の核心で、中国経済の持続可能な成長を推進するものだと見ています。
中国は今、工業化と都市化を実現する鍵となる時期にあります。人口の増加と経済の速い成長に伴い、資源環境との矛盾が日増しに目立ってきています。温室効果ガスの排出大国として、中国の省エネと排出削減は自国の持続的な発展だけではなく、世界の気候変動による被害を緩和するためにも貢献するものであります。そこで、省エネと排出削減は経済成長方式の転換を速める6つの対策の1つとなっています。
これについて、中国現代国際関係研究院世界経済と政治研究所の陳鳳英所長は「まず、経済構造から見ると、中国は工業化へと発展する中間段階にあり、最大の特徴は第2次産業を主とし、資源の消費が高い。省エネと排出削減を強調しなければ環境汚染が更に深刻になる一方だ。第2は社会問題である。中国の1人あたりのGDPは3000ドルになると、消費モデルが転換し始め、住むことと交通を主とするが、これは水、電気、ガスの消費の増加をもたらす。第3は中国のエネルギー消費構造の中で、石炭は70%を占め、炭素の排出が高い。このようなエネルギー構造は低炭素による成長で確保しなければならない」と分析しました。
中国の「第11次5ヵ年計画」の省エネ排出削減目標は2010年まで、2005年より単位あたりのGDPエネルギー消費を20%、主要汚染物を10%削減することです。これまでの努力を経て、「第11次5ヵ年計画」の前の4年間で合わせて単位あたりのGDPエネルギー消費は14.38%減りましたが、目標達成にはまだ努力しなくてはなりません。
これについて、陳鳳英所長は「中国は鍵となる時期に来ている。30年間の改革開放を経て、中国の経済総量はたいへん大きなものとなっているが、粗放型で高エネルギー消費の道を歩んできた。これまでの成長方式を変えなければ、今後の経済成長は量から質へのグレードアップができない」と述べました。
政府活動報告によりますと、今年の省エネ排出削減は4つの面から取り組んでいます。第1、工業、交通、建築を重点に省エネを推進して、エネルギーの効率を高めること。第2、環境保全を強化すること。第3、循環型経済と省エネ環境保全産業を発展させること。第4、気候変動を前向きに対応することです。
2010年の省エネ排出削減事業について、陳所長は次のように語っています。
「これは新エネルギー、低炭素、環境保全産業など関連産業にチャンスをもたらすに違いない。もう1つは国際協力のチャンスである。このチャンスをつかめば、中国経済は持続可能な成長が実現できると思う」。(翻訳:ヒガシ)
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