中国最高人民裁判所と最高人民検察院から公布されたわいせつ電子情報を流す刑事事件に対する新たな量刑基準は4日から実施されます。この司法解釈（中国の最高司法機関が法律により付与された職権に基づいて、法律を実施する過程において具体的にどのように法律を運用するかについて発行した普遍の司法効力のある解釈である）は、インターネットや移動通信端末、電話サービスなどを利用して、わいせつ電子情報の制作、コピー、出版、販売、流布などを行う犯罪活動に対して、その量刑基準をさらに明確にしたものです。最高人民裁判所研究室の胡雲騰主任は「この量刑基準の実施は、わいせつ電子情報を流布し、利益を得る鎖の「切断」にプラスとなるほか、司法機関にとって携帯電話とインターネットにおけるわいせつ電子情報の流布活動を取り締まる法的根拠にもなっている」と述べました。

　わいせつ電子情報は、未成年者の成長にひどく影響を与えます。2004年、中国最高人民裁判所と最高人民検察院は関連の司法解釈を発表し、量刑基準を決めましたが、情報技術の急速な発展に伴い、わいせつ電子情報を流す犯罪活動も新しい形であらわれ、携帯電話はわいせつ電子情報を流布する重要な手段となっています。しかし、司法機関はわいせつ電子情報の流布によってもたらす利益の鎖を断ち切る法的根拠がないという問題に直面していました。これを考え、最高人民裁判所と最高検察院は新しい司法解釈を公布することになりました。胡雲騰主任は「この司法解釈は取り締まりの範囲をインターネットから携帯電話のネットワークまで広めた。特に利益の取得を目的としたインターネットサービス会社と電信業務運営会社がわいせつ内容のある品物の制作や流布などによる犯罪、あるいはわいせつ内容のあるウェブサイトにサポートを提供する犯罪行為を取り締まりの対象としている。また、司法解釈はわいせつ電子情報の流布による犯罪活動を取り締まる過程で、適法かどうかという問題を解決した。例えば、わいせつウェブサイトの判定問題などが挙げられる」と述べました。

　この司法解釈は全部で13条からなっていますが、わいせつ電子情報を流すということに対し、新しい量刑基準をきめたほか、未成年者に関するわいせつ電子情報の制作、コピー、出版、販売、流布などの犯罪行為に対し、処罰をさらに厳しいものとしました。

　去年から、中国の司法機関は携帯電話とインターネットを通じてわいせつ電子情報流布への取り締まりを強化してきました。2009年末まで、中国の公安機関はわいせつ電子情報流布による犯罪活動を4100件以上立案しましたが、この数字は2008年の約4倍です。また、2009年12月4日から2010年1月15日まで、関連部門はこういった犯罪活動を摘発した情報を9万本受け取りました。この点から見れば、わいせつ電子情報の流布活動を取締ることは、大衆の共同の願いとなっています。胡雲騰主任は「中国のインターネット産業は急速な発展を遂げている時期であり、これを規範化しなければならない時期でもある。インターネットや携帯電話のネットワークによるわいせつ情報の制作と流布を取り締まることは、インターネット産業の健全な発展を促すことができ、また、人々に役立つ情報を提供することができるという面で大きな役割を果たすに違いない」と語りました。