インドのチャバン首相府担当相は29日、「カルナータカ州にあるカイガ原子力発電所での放射性物質による汚染事故は人為的な原因である」と発表しました。
それによりますと、この24日、カイガ原子力発電所のスタッフ55人に対する恒例の健康診断の結果、放射性物質トリチウム(三重水素)が基準以上検出されました。
原因はスタッフ用の飲料水タンクにトリチウムが混入されたことにあるいうことです。
これを受け、インド原子力発電公社のジャイン会長は「発電所の施設は安全に運行し、放射性物質の漏えいは検出されていない」と発表しました。
また、トリチウムが検出されたスタッフの55人はすでに退院しています
バンガロール市から450キロ離れたところにあるこのカイガ原子力発電所はインドが自力で開発したもので、発電ユニットは4基、設備容量は22万キロワットに達し、2000年の3月から稼動しました。
そして発電所ではスタッフの健康診断が毎日行われています。
しかし、所内の飲料水タンクは原子炉に近いところにあり、放射性物質の管理も不備であると関係者から指摘されています。もちろん、飲料水タンクに誰かがトリチウムを投入した疑いが大きくなり、その容疑者の捜査も実施されています。
原油の70%を輸入に頼っているインドは原子力発電所の建設を大変重視し、その発電量はアジアの第3位にランクされています。
ところで、インドの原子力発電所はほとんどが自力で開発したものです。
1998年、ウッタルプラデシュ州の原子力発電所ではトリチウムが漏えいし、この地域に被害を与えました。その後2000年に、この発電所ではまた、放射性物質が漏えいしています。
同じく2000年、チェンナイ市にある原子力発電所では重水が漏えいし、2001年には原子力発電所による漏えい事故は3回も発生したということです。
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