中国の温家宝首相が23日から25日にかけて、タイで開かれる一連の会議に出席し、東アジア各国との友好関係や地域協力の強化などについて各国の指導者と意見を交わします。これについて、中国の専門家は、中国と東アジア各国が地域協力の面でさらに足並みを揃え、地域全体の協力と発展を促していくことは、重要な意味があると見ています。
東アジアにおける一連の首脳会議の中で、温家宝首相はまず、中国とASEAN・東南アジア諸国連合の第12回首脳会合に出席します。この会合では、温家宝首相がASEANとの経済・貿易、インフラ整備、金融、農業などにおける協力について中国の主張やイニシアティブを発表するとともに、知的所有権に関する協力覚書など合意文書に調印する予定です。来年11月に、中国・ASEAN自由貿易区が設立されます。これを背景として開催されるこの会議について、東アジア問題を専門に扱う中国外交学院の蘇浩教授は、中国とASEANが実務協力を進める中で、その協力をより一層具体化させる会議となると述べ、また次のように話しています。
「ASEANと中国、日本、韓国の3ヵ国の協力のうち、中国との協力が最も活発に行われています。特に、中国・ASEAN自由貿易区の設立については、2001年に計画をつくり、それに従って2002年に実施を始めました。今年の会議では、計画の全体像をさらに具体化していきます。そのため、一連の協力協定が結ばれることが見込まれ、双方の関係は一層緊密化していくでしょう」。
この会議のほか、温家宝首相はASEANと中国、日本、韓国の第12回首脳会合や第4回東アジアサミットにも出席する予定です。蘇浩教授は、東アジア地域における協力の強化について、中国の重要戦略の1つだとの見解を示した上で、次のように述べました。
「中国はまず、アジアの国、厳密に言えば、東アジアの国です。国際関係の角度から見ると、グローバル化と地域協力の一体化という2つの大きな流れが存在します。中国は地域協力に参加する必要があり、そのためには、まずこの地域で協力の枠組みをつくらなければなりません。したがって、中国の外交戦略において、ASEANと中日韓の協力と東アジアサミットはいずれも重要なものだと言えます」。
これら一連の会議で、温家宝首相はASEAN共同体の構築と加盟国間の格差是正を支持するという中国政府の立場を改めて表明するということです。これについて、蘇浩教授は「これから、東アジアの地域協力において、ASEANには主導的な役割を果たしてもらい、中国は日本とともにエンジンとして、東アジア協力を推し進めていくだろう」との見方を示しました。蘇教授の話です。
「ASEANと中日韓3ヵ国の協力において、ASEANがやはり最大の基盤です。中国も日本もASEANの主導的な役割を否定することはないでしょう。中国としては、これまでどおりASEANのリーダーシップを後押ししていきます。一方、この地域最大の経済国である中国と日本が地域協力における大きな役目を発揮しているのも疑いのない事実です。ですから、この地域を1台の車に例えれば、ASEANは運転手、中国と日本はエンジンを担っています。中国と日本が参加しないと車は走ることができません。しかし、走る方向は、ASEANが決めることになるのでしょう」。
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