中国の習近平国家副主席は北京で29日、アメリカのスタインバーグ国務副長官と会談しました。

　その中で、習副主席は「双方の努力により、中国とアメリカの関係は積極的な成果を収めた。中国はアメリカとともに、両国首脳が合意した共通認識を実行に移すとともに、各分野での協力を強化していきたい。また、意見の食い違いや敏感な問題については、適切に対応していく。さらに、11月に予定されているオバマ大統領の中国訪問を成功させ、中米関係を健全かつ安定した方向に発展させていく」と述べました。

　また、習副主席は、台湾、チベット、新疆などの問題における中国の立場を表明し、「根本的な利益への尊重や関心を寄せる問題への配慮は、中米関係の発展にとって重要な原則である。アメリカ側がこれらの問題を慎重かつ適切に対応するよう期待している」と強調しました。

　スタインバーグ国務副長官は、新中国成立60周年に対し、祝賀の意を表した上で、「アメリカと中国は、いずれもオバマ大統領の中国訪問の準備を行っている。アメリカと中国は、金融危機の対応、テロ対策、核拡散防止および気候変動など、グローバルな課題に協力して立ち向かっていく。両国のこのような意思が今回の訪問を通して、全世界に伝えたい」と述べました。また、「アメリカは『一つ中国』の政策を堅持し、中国の主権と領土保全を尊重する。アメリカ側はこの立場を両国関係に対処する際の根本的な原則としている」との立場を改めて強調しました。（万、田中）