お茶にはさまざまな種類がありますが、どれも健康の維持には効果があり、昔からお茶の持つ薬効を期待して、症状にあわせ飲まれてきました。ここでは、代表的な3つのお茶について、コレステロールとの関係を中心にまとめます。
緑茶の栄養成分
緑茶に含まれるカテキンは、緑茶特有の渋みの元となっている成分で、血中脂質であるコレステロールや中性脂肪を減少させる作用があります。血中脂質を減少させるカテキンのすごいところは、悪玉コレステロールだけを減らして、善玉コレステロールは減らさないという点です。
ほかにも、カテキンには血圧の上昇を抑える作用や、血糖値の上昇を抑える効果もあり、高脂血症、糖尿病、動脈効果、肥満症、高血圧、がんの予防に有効な成分です。
カテキンの持つ殺菌作用もよく知られています。食後に緑茶を飲むことによって、口臭予防にも効果があります。また、緑茶にはフッ素も含まれていて、虫歯予防にも効果的です。
カテキン以外にも緑茶には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが含まれ、強い抗酸化作用によって悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎます。カテキンの一種であるエピガロカテキンガレートと呼ばれる成分には、ビタミンCの10倍、ビタミンEの20倍もの抗酸化力があるといわれています。
紅茶の栄養成分
紅茶は緑茶の葉を発酵させて作ったもの。紅茶を製造する過程で茶葉に含まれているカテキン類が発酵して、ポリフェノール類が生成されます。代表的なのが紅茶の赤い色素や渋みのもととなっているテアフラビンやテアルビジンというポリフェノールです。テアフラビンは強力な抗酸化力を持っていて、「スーパーカテキン」とも呼ばれています。悪玉であるLDLコレステロールの酸化を抑えて、善玉であるHDLコレステロールはそのまま。中性脂肪の減少にも効果を発揮します。
カフェインも含まれ、適度に摂取することで消化作用、覚醒作用、疲労回復に効果を発揮します。
ウーロン茶の栄養成分
ウーロン茶は半発酵で作られるお茶で、中国茶の分類上、"青茶(あおちゃ)"と呼ばれるお茶の代表格です。
ウーロン茶に含まれるウーロン茶ポリフェノールは、カテキンの集合体で、脂質とくっつく性質があるためにコレステロールや中性脂肪を体外に排泄させる作用があります。このため、高脂血症や肥満の改善には効果的なお茶だといえます。
ウーロン茶ポリフェノールには強力な抗酸化力があり、悪玉であるLDLコレステロールの酸化を防ぎ、結果として動脈硬化を防ぎます。このほか、ウーロン茶ポリフェノールには小腸でブドウ糖の吸収を抑制する作用もあるので、血糖値の上昇を抑えます。
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