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国際交流基金北京事務所 |
会場の様子 |
12日、日本の国際交流基金北京事務所は、北京市内で「日本のお正月」というイベントを開きました。中国人に日本のお正月の過ごし方を紹介しようと開かれたもので、会場となった国際交流基金の多目的ホールには、当日200人以上が詰めかけ、身動きがとれないほどの大盛況でした。日本の新年に関するパネルが展示されたり、鏡割り用の大きな酒樽が用意されたり、なかなか目にすることのできない日本のお正月の風物に、来場者は興味深そうな様子でした。
会場ではさまざまなパフォーマンスが行われました。いちばん注目を集めていたのは、餅つき大会でした。会場には大きな臼と杵が用意され、蒸したてのもち米が持ち込まれると、会場からは大きな歓声が上がっていました。餅つきは、来場者が自由に参加でき、かわりばんこで力強く餅をついていました。実は中国でも、南方のほうではお正月に餅を食べる習慣があるのですが、最近では自分たちで餅をつくという習慣があまり見られなくなっています。ですから、参加者の中には、餅つきの様子をなつかしそうに眺めている人もいました。
ついたお餅はスタッフたちがすぐに丸めて、餡子や黄粉をまぶして来場者たちに配っていました。つきたての餅に、あちこちから「美味しい」!という声が上がっていました。
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餅つき |
餅を試食「美味しい!」 |
今回のイベントは餅つきだけではありません。日本のお正月の遊び、カルタを紹介するコーナーもありました。現在中国でカルタ文化を紹介する活動をしている、吉田睦美さんという日本人女性を講師に招き、百人一首のデモンストレーションや、カルタの歴史や遊び方を紹介する講座が開かれました。
このほかにも、会場には将棋や折り紙などのコーナーが設けられていました。会場には北京在住の日本人も多く駆けつけていたのですが、ともに談笑しながら、和気藹々とした雰囲気で日本のお正月を楽しんでいました。
会場で、中日双方の来場者たちに話を聞きました。
「とてもうれしかったです。はじめて餅つきを体験しました。力が要りました。これからもこのような活動に是非参加したいと思います。このイベントは先生が紹介してくれました。今日は友達と参加したのですが、よかったです」(中国人学生)
「つきたての餅は美味しかったですね。日本のアニメが大好きで、日本の新年の過ごし方にも興味があったので参加しました。こうしたイベントは初めてでしたが、参加できてとてもうれしかったです」(中国人学生)
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百人一首に挑戦! |
皆で折り紙 |
「中国人の友達に日本の文化を紹介したくて、一緒に来ました。北京にいると新年を迎える感覚はありませんけど、やはり、このようなイベントに参加したら、新年が来たことを感じることができました」(日本人参加者)
「日本でお正月を過ごせない分、北京でこうした雰囲気を味わえることはとてもうれしいです。こんなにたくさん中国人の方がいらっしゃると思っていませんでしたが、皆さんとても楽しんでくださっているみたいで、すごくうれしいです」(日本人参加者)
実は、このように日本のお正月を紹介するイベントを、国際交流基金では3年連続で行っています。イベントの反響について、国際交流基金北京事務所の藤田所長にお話を伺いました。
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大勢の来場者で賑わう |
中日仲良くお正月を体験 |
「毎年いろいろな形で新春フェスティバルをやっています。反響は大きいですね。日本に対する関心も高まっています。このように、日本のいろんな文化を紹介できるのはうれしいですね。事務所としても、どんどんやっていきたいと思います。中国の方が興味をもって、たくさん来てくださいます。日本のことをもっと知っていただきたいです。お互いの交流に少しでも貢献したいです。今年は日中両国の青少年交流年ですから、これをきっかけに交流事業をどんどんやっていきたいと思います」(藤田所長)
今年は中日青少年交流年ということで、両国の間でますます多くの交流イベントが開かれることが予想されます。それに先駆けて行われた今回のイベントは、穏やかなムードの中進行していきました。お互いの理解が、またひとつ深まった、そんな1日となりました。(文:任春生、写真:任春生・末永由希)
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