中国と日本の高校生交流(2)
ーー日本伝統文化の体験談ーー
日本を訪れる中国の高校生は、体験入部を通じて、日本の伝統文化を体験しました。
京都の山城高校で、10人の女子高校生は、着物の着付けを体験しました。吉林省からの董爽さんはその一人で、今回の経験について、「日本の着物を着るのがずっと夢だったので、うれしかったです。でも、着方がこんなに難しいとは思いませんでした。一人では到底無理ですね。特に帯の結び方は難しくて、結局先生にやってもらいました。あと、すその長さなども決まりがあるので、先生に何度も確認してもらいました。着終わったときには汗だくになっていました。私が着たのは薄紫色の浴衣で、帯は紫と紅色の組み合わせです。和服の色合いは独特ですね。帯に施された刺繍も非常に細かくて、きれいです。映画やテレビで、着物を来た日本の女性がチョコチョコ歩くのを見たことがありますが、どうしてああいう歩き方になるのか、実際浴衣を着てよく分かりました。和服は、チャイナドレスとはまた違った女性らさしさを引き出してくれる衣裳だと思います」
吉林省長春市の高校2年生・李エイさんが、鳥取県の鳥取東高校で剣道部に体験入部し「初めは剣道着の着方さえ分からなくて、少し戸惑いました。でも、女子部員がやさしく教えてくれました。よろいが重たかったですが、かぶとをかぶって竹刀を持つと、自分が凛々しく見えてうれしかったです。私は少しだけ練習に参加させてもらっただけでしたが、部員の皆さんは、毎日2時間ぐらい練習していると聞きました。みなさん本当に優しくて、手を振って見送ってくれました。日本の高校は、生徒たちの総合力養成に力を入れていますね。日本の高校生たちが楽しそうにクラブ活動に取り組んでいるのを見て、うらやましくてたまりませんでした。中国の教育は、この部分が欠けています。私たちは勉強ばかりです。成績だけで評価されてしまうところがあり、偏っていると思います。中国の学校でも、日本のようにいろいろなクラブ活動ができたらいいなと思いました」
河南省出身の高校2年生・周夢雪さん山口県の高校で茶道部に体験入部しました。これについて、周夢雪さんは、「部員の人が抹茶を淹れてくれました。それを先生の指導のもと、茶碗を3回回して飲みました。そのあと、茶碗の模様を眺めて楽しみ、隣の人に模様のある部分を向けて渡すよう言われました。こうしたお手前を通して、日本人のおもてなしの心、礼儀正しさを感じました。日常生活のなかでも日本人の礼儀正しさを感じることがありますが、それを今回改めて肌で感じた気がします」。(朱丹陽)
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