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水と青空に映える丹東ビル群 |
鴨緑江をはさむ丹東と朝鮮 |
鴨緑江の遊覧船から眺める丹東の街並みは、まさに「東北三省の宝石」と言える美しい表情を見せていました。河沿いの公園の緑と、白、青、ピンクなどのモダンな中高ビル群や風格あるアーチ型の橋梁などが水面に映えて、あたかも水上に浮かぶ都市のようでした。ビルが林立する大都会ではなく、その分、水と空の広がりを感じる落ち着いた姿が、とても好ましく思えました。
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朝鮮のさびれた観覧車 |
漁をする朝鮮の漁民 |
さらに、対岸の陸地が朝鮮であることが特別の感慨をもたらします。間近に見る朝鮮の土地は、大きな建物もなく、大部分が耕作地か原野のように見えるばかりでしたが、遊覧船で近づくと、川沿いに平屋の建物が点在し、「21世紀の太陽キム・ジョンイル万歳」などとハングルで書かれた横断幕も見られ、仕事をする様子の作業員や農民の姿もチラホラと確認できました。また、遊園地の観覧車らしきもの、ヨーロッパガーデンと呼ばれる石造りの洋館らしきものも見られましたが、いずれも老朽化していました。川岸の造船所に並んだ小型船も、一部で溶接作業などが行われていましたが、旧型ばかりで、全体として錆びるに任せて放置しているような印象でした。
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鴨緑江沿岸に広がる丹東の街 |
丹東の川岸から朝鮮を臨む |
中国側の繁栄と朝鮮側の困窮ぶりがあまりにも鮮やかに対比され、それぞれが歩んできた歴史の違いをまざまざと見せつけられるようでした。丹東にとって、豊かな資源と自然の象徴とも言える鴨緑江は、対岸の朝鮮側にとっては、世界との交通や豊かさからの分断の象徴にすぎないと思えてなりません。
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朝鮮戦争を物語る断橋 |
中国と朝鮮を結ぶ橋梁 |
経済発展における丹東の優位性は、国境に接していることが第一に挙げられています。水資源や木材、鉱物資源の豊かさ、労働力コストの廉さも売り物です。また、鴨緑江、虎山長城、鳳凰山など、魅力的な観光地も数多くあります。しかし、日本からの企業誘致や観光客の誘致が大幅に増えるためには、国境の向こう側が安定し、国際社会にも受け入れられることなしには、なかなか実現できないのではないのかというのが、遊覧船の上から中朝両岸を眺めながら感じた正直な気持ちでした。(文章:満尾 巧)
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