"弾丸列車"CRH(北京西駅)
26日から河南省の省都鄭州で開かれる第2回中部投資貿易博覧会を取材するため、24日北京西駅から、新しく運転を始めたばかりの高速列車CRH、愛称"弾丸列車"に乗車して鄭州までやってきました。この列車に乗ったのは勿論初めてのことです。
CRHは「China Railway High-speed」の略で、日本語に訳せば、中国鉄道高速列車。4月18日に実施された6回目の鉄道高速化の一番の目玉として新たに登場した高速列車です。これまで中国の鉄道では、最高時速は160キロでしたが、この新型の高速列車の導入によって200キロ以上となり、中国は新しい高速列車時代に突入したと中国のメディアは伝えています。
2等の車両
北京西駅から鄭州までは、これまでは7時間かかりましたが、新しい列車だと5時間で着き、2時間も時間が短縮されました。私達北京放送局の取材団一行が乗車したのは2等座席で、料金は213元(ちなみに1等座席は256元)。同じ区間のこれまでの特急の料金が94元だということですから2倍以上も高くなりましたが、1等寝台車の180元に比べれば、それほどの違いはありません。これまで北京から鄭州に行く人は、一泊二日で行っていたところを、この列車を使えば恐らく日帰りで行くことも可能になったと言えるでしょう。
1等の車両
私が乗ったCRH2という型は、先頭の車両が流線型で、日本の東北新幹線「はやて」にとてもよく似ています。今日は平日の火曜日でしたが、全車両とも満員状態。こんな状態がスタートしてから1週間、毎日のように続いていると乗務員は話していました。2等車両は席が左右に3つと2つに分かれ、その3つのところに座ったので、やや狭い感じがしましたが、1等車両は左右とも2つで大変ゆったりしています。
車椅子用トイレ
同乗した日本語部の王丹丹さんの話によると、従来の列車と比べると、車内が広く、清潔感があるのがいい。特にトイレの中は設備がいろいろ整っていて、自動蛇口のほかに乾燥用の温風器もあり、とても便利。ただし洋式トイレに慣れていない中国人もいるので、使い慣れるまでは汚れる可能性があるので、中国式のトイレも併設されていた方が良いと感想を話してくれました。
お湯も出る給水器
この他、従来の列車と違うところは、座席の向きを自分で変えることが出来ること。トランプ好きのグループは、早速、座席を迎え合わせにして楽しんでいました。喫煙家にとって厳しいのは、全車両が禁煙になっていること。途中の駅には2分間停車しますが、この短い時間にホームに下りて、気忙しくタバコを吸う中年男性の姿を何人も見かけました。
隣を走る貨物列車
中国のこの新型高速列車は、在来線の線路を走っている点が、日本の新幹線と大きく違うところです。このため200キロ近いスピードで走っている時にも、隣の線路を貨物列車などが走っています。そんな時は、ちょっと心配な気持ちにもなりますが、それはさておき、中国の広大な国土をこの新型の高速列車の運行が広がって行けば、高度経済成長に更に弾みをつけることになりそうです。(文と写真:中村治)
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