北京市中関村科学技術区は中国における重要な科学技術革新の中心です。技術区には1万6千社余りの企業があり、そのうち、多くの企業は起業の初期、或いは成長期にあります。ここ数年、政府はこれらの中小企業に優遇政策や資金的な援助を行い、優れた発展環境を作りました。
于洲さんは2006年の初め、「酷鵬科学技術」という会社を作りました。会社の所在地は中関村科学技術区にある「創業サービスビル」です。ここは交通が便利で、ビジネスの雰囲気にも満ち溢れています。于さんの会社はデパートなどの小売企業に、セールスに関するデータとその解決案を提供するコンサルタントの業務をしています。現在、会社は勢い良く成長していますが、于さんは「中関村科学技術区の奨励政策のおかげだ」と語っています。
中関村はベンチャー企業にいろいろな支援を提供しています。わが社がここに入る前、関連部門と交流して、いま実施されている、またはこれから実施する優遇措置を紹介され、ここの優れた投資環境に大きなメリットを感じました。
中関村科学技術区の創業サービスビルは中小企業向けのオフィスビルで、ビジネスに必要なあらゆるサービスを提供しています。企業登録や税金の納付、財務会計、人材探しなどに関する専門部署が設けられ、企業のコストや時間の節約に役立っています。
于洲さんと同じく、楊希成さんのソフトウエア会社もこの創業サービスビルにあります。「創業サービスビルで創業した場合の優遇措置は企業の発展にとても有利だ」と楊さんは言います。
創業サービスビルのオフィスでは、1平方メートル当たり毎日0.5元の政府手当てを受けられます。我が社のオフィスは120平方メートルです。資金不足の問題を抱える創業したばかりの新しい企業にとって、、このような優遇措置はとても魅力的です。
楊さんは中関村科学技術区の創業環境に非常に満足し、会社の前途に自信を持っています。「我が社は創業したばかりで、規模が小さいものの、優れた創業環境に恵まれているので、これからはきっとますます発展していくだろう」と楊さんは自信満々に語ってくれました。
2006年、北京市中関村科学技術区は一連の措置を講じて中小企業の創業と発展に向けた環境作りに取り組んでいます。創業サービスビルの設立はその一つです。2006年の初め、中関村科学技術区管理委員会と不動産商会連合が創業サービスビルの第1期プロジェクトを打ち出し、中小企業はこれを大いに歓迎しました。そして、総面積4万平方メートルの第2期プロジェクトがこのほど正式にスタートしました。
これについて、中関村不動産商会の戴健事務局長は次のように紹介してくれました。
科学技術企業の創業コストを減らすため、創業サービスビルを設立し、企業に手当てを出しています。また、サービスビルは税金代理業務や、法律コンサルタント、管理コンサルタントなど、企業向けの事務サービスを提供します。
創業サービスビルのほか、中関村科学技術区は商業銀行、企業、関連の政府機関や仲介機関からなる信用貸付融資促進プラットフォームを設立しました。このプラットフォームは信用評価、融資担保、政府手当て、仲介サービスなどのサービスを提供し、中小企業を支援しています。2005年末までに、このプラットフォームは300社近くの中小企業に28億元の貸付金を行なったということです。
これについて、中関村科学技術区管理委員会の任冉斉副主任は、「中小企業の発展を促すため、技術区は積極的にベンチャーキャピタルの導入に取り組んでいる」と語りました。
中関村は企業の創業・投資環境を整えるため、20社余りのベンチャーキャピタル機構と連携して資金導入に取り組んでいます。ベンチャーキャピタルが中関村のハイテク企業に投資すれば、管理委員会も無条件に投資することになります。そして、投資の割合は20%近くです。
そのほか、中関村科学技術区は文化面でも中小企業の創業とその発展に向け、環境作りに取り組んでいます。例えば、技術区の管理委員会は「ベンチャーを奨励し、失敗を容認する」というスローガンを出し、リラックスした雰囲気を作っています。
また、これからの支援措置について、任副主任は次のように紹介してくれました。
中小企業にサービスを提供し、創業と発展に向けた環境を整備することは公共財政の主要目標です。私たちはさらに多くの企業を中関村に誘致して、さらに優れた投資環境を提供します。
優れた投資環境に恵まれた中小科学技術企業は中関村で大いに発展しています。ここ2年、技術区で毎年4000社以上の新企業が設立され、収益が1億元以上の企業は100社余りあります。また、技術区の生産価値は年平均20%の伸びを見せています。
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