中国は社会・経済の発展で一定の段階に達しており、さらに世界経済の大環境が低迷していることから、目標実現の過程において多くの課題に直面すると分析されている。2日付ストレーツ・タイムズ紙は、「今回の両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)は、経済成長率の低下、過剰生産能力、株価変動により、世界2位の経済体の健康が危ぶまれている時期に開かれる。観測筋は、李克強総理が5日の政府活動報告で、中国の発展の今後に関する手がかりを提供し、これらの問題の解決に向けた計画を打ち出すことに期待している。中国の今年の経済成長率の目標値は、6.5−7%の間で設定されることになりそうだ。一部の専門家は、具体的な数値ではなく一定範囲の目標を設定することで、政策の柔軟性を確保すると予想している」と報じた。
英文経済紙『Nikkei Asian Review』は2日、「中国政府は2008年の世界金融危機後、4兆元規模の刺激策を打ち出し、過剰生産能力が生じた。中国は現在、次の大規模な刺激に耐えられなくなっている」と伝えた。シンガポール華字紙『聯合早報』は、「経済発展を促すカードはほぼ出尽くしている。中国の現指導部は、これまでよりも厳しい課題に直面している。そのため現指導部が期限通りに第13次五カ年計画の任務を完了できれば、特色ある歴史の功績を残すことになる」と報じた。中国国際経済交流センター諮訊研究部副部長の王軍氏は、中国は第14次五カ年計画(2021−25年)の後半に、「経済大国」から「経済強国」になると予想した。平均所得は中所得から、1億2000万ドルを上回る中高所得水準になり、かつてない快挙を成し遂げることになるというのだ。
経済成長の他に、両会で発表される国防予算も海外から最も注目を集めている。米UPI通信社は1日、「中国は軍事費の大幅な増額を宣言し、軍隊改革の需要を満たし、東中国海・南中国海の係争中の海域の防衛を強化すると見られる」と伝えた。香港紙『南華早報』は、「消息筋によると、中国の軍事予算は今月土曜日の全人代会議で発表され、20%の増額となる可能性がある。中国軍筋は、2007年以降で最高水準になるとしても、20%という成長率は受け入れられると述べた。習近平国家主席は昨年9月の抗日戦争勝利記念軍事パレードで、30万人の軍縮という重大決定を発表した。退役軍人の再就職、部隊の現代化、軍隊の効率向上には費用がかかる。これは中国の軍事費の増額が必要であることを意味している。中国の2015年の軍事費は10.1%増で、過去5年間で最低の伸び率となった。中国の軍事費は、米国を大幅に下回る。米国防総省は2015年に約5970億ドルを使用したが、中国の軍事費は約1355億ドルだ」と報じた。
国防大学教授の公方彬氏は、「個人的には20%という伸び率は可能性が低いと思うが、中国の軍事費の増額には自国の理由があり、海外メディアの顔色をうかがう必要はない。中国は世界の大国であり、世界経済に占める比率が高くなり、国際的な責任も大きくなってきている。西側諸国は以前、他国に便乗していると批判ばかりしていたが、中国が今や責任を担おうとすると、西側は別の目で問題を見るようになった。また中国の領土・領海は確かに現実的な安全の脅威にさらされている。米国は頻繁に南中国海を訪れている。中国は武力を行使したくないが、自国の主権と国益を守らなければならない。中国の経済規模は世界2位になっており、軍事力も国益や国家の地位にふさわしい規模でなければならない。中国は軍事力を、国益の最後の保証にする必要がある。また中国は近年になり、軍事費と軍隊の拡大にようやく取り組み始めており、大規模な軍隊建設もこの10−20年内に始まったことだ。当初の規模が小さかったため、2桁台の成長を維持しているのだ」と指摘した。「中国網日本語版(チャイナネット)」より
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