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4月8日(水)その⑨  宝鶏市鳳翔県 泥人形と皮影

2015-04-09 13:48:05     cri    

 宝鶏市鳳翔県は、「中国民間文化芸術の発祥地」として知られ、泥人形や皮影(影絵)をはじめとして、木版年画、切り紙など民間工芸美術品100種類あまりがここで作られています。鳳翔泥人形博物館の姚館長によると、総人口52万人のうち2000人あまりが泥人形作りに従事しているといいます。

 泥人形


鮮やかな彩色

 粘土で作った様々な形をした人形で、人や動物の形をしています。その発祥は、鳳翔県の六営村。明の時代、初代の皇帝・朱元璋の軍隊である第六営隊が鳳翔県に駐屯した際、兵士たちが現地の土を使って人形を作り、市場で売り始めたことに由来します。現在鳳翔県では、幸運のおまもりとして泥人形を贈り合う習慣があります。


様々な動物の形


羊の泥人形


壁掛けできるものもある

 2006年には、中国民間美術の無形文化遺産として国レベルで認定されました。鳳翔県の泥人形は海外でも高く評価されており、姚館長によるとアメリカやフランスなどへも輸出されているといいます。鳳翔県特有の黒粘土を使用し、普通の土で作った泥人形よりもさらに丈夫で、変形しにくくなっています。泥人形の製作工程は、粘土の選出、型作り、磨き、模様入れ、色づけなどがあり、乾燥を含めて完成までは約一週間。特殊な土により、釜で焼かず、陰干しで乾燥させて完成させることができます。


泥人形の型


乾燥

 六営村では、家族単位で泥人形を製作しており、親から子へと製作技術が伝承されているようです。製作者に話を聞いてみると、製作者の多くは親世代のようで、若い世代はその複雑な製作工程にそれほど興味が持てていないといった声もありました。


しなやかな手つきで泥人形を製作する

 六営村では、代々伝わる伝統の型を用いてそれぞれの家庭が自宅にて人形を作っており、それらの家を一軒一軒訪ねることができました。ある家に訪問した時、家の庭で中年の女性が人形の型作りをしていました。両親から製作技術を学んだという彼女は「子供は人形に筆で模様を描き入れることが苦手なの」と少し残念そうに語っていました。泥人形は日本でも売られていますが、種類は限られているように感じました。ここではさらに多くの種類の泥人形を目にし、色の鮮やかさ、精巧な作りや丈夫さに、私だけでなく今回訪れた記者の多くがその魅力に取りつかれました。

 皮影(影絵)


5日、漢中市洋県で見た影絵芝居(実際には反対側から鑑賞する)

 陝西省は皮影の発祥地であると言われています。皮影とは牛、馬、ロバなどの皮になめし彫刻を施し、色付けしたものに桐油を塗って乾燥させて作られる人形を指し、影絵芝居に使われます。現在、中国各地でこの影絵芝居を見ることができます。

 影絵芝居は、2000年あまりの長い歴史があります。唐の時代の紙人形の芝居が原型となっており、その後、南宋の時代より動物の皮が使われるようになりました。2011年、ユネスコの無形文化遺産として登録されました。

 六営村の劉亜利さんは幼少期より皮影の彫刻を学び始め、今は劉亜利さんと父親、奥さん、息子さんの4人で皮影を作っています。その色鮮やかな彩色と作業の細かさに、しばらく目を奪われてしまいました。(林)


皮影を製作する劉亜利さん


色付けをする劉亜利さんの奥さん


製作中の皮影


完成された皮影の作品

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