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1月24日 金曜日

2014-01-24 17:56:10     cri    


 一時間目は、世界文化遺産に登録された安徽省の古代村落の宏村、西逓をご紹介します。

 安徽省の南部は、昔「徽州」と呼ばれていました。二千年余りの歴史を持ち、9800平方キロの広さを誇る徽州には今も、明、清代の民家建築が5000軒ほど残っています。とりわけ人々を魅了してやまないのが、古い民家の「博物館」と称される安徽省イ(黒に多)県にある二つの村、宏村と西逓です。2000年にここは、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

 徽州は古来、多くの有名人を輩出した地として知られています。宋の理学者・朱熹、清の哲学者・戴震、商人・胡雪岩、近代の鉄道専門家・詹天佑、学者・胡適など、徽州出身の有名人は数えきれないほどいます。また明、清代に繁栄をきわめた「徽商」(徽州の商人)は、この地の文化発展にも貢献してきました。それは、新安理学、新安画派、新安医学、徽派建築、徽派版画、徽派三彫(木、石、レンガの彫刻)、徽劇、安徽料理、徽墨などに代表され、世界的にも影響を与えた中国三大地域文化(その他はチベット文化、敦煌文化)の一つ「徽派文化」の形成にも、大きな影響を与えたのです。

 宏村を訪ねると、村の南側にある大きな湖にクギ付けになります。長さ200メートル、幅40メートルの弓形の湖で、現地の人たちはこれを「南湖」と呼びます。岸辺には巨大な古木が生えそろい、そこから向こう岸を見渡すと、民家の濃い灰色の瓦としっくいの白壁が湖面に映り、まるで水墨画のようです。人々が「中国画の村」と親しむのもうなずけます。

 湖の岸に残る昔の私塾、「南湖書院」は、1814年に住民の出資によって建てられたものです。格子造りの玄関をくぐると、そこが書院の大広間、つまり講義が行われた部屋です。広間の梁には「万世師表」(孔子は永遠の師)と四文字で記された額が、両側の柱には木彫りの対聯(吉祥の対句を書き分けたもの)が、それぞれ掲げられています。

 さらに奥へ進むと、孔子の位牌が祭られた文昌閣があります。このほか、啓蒙教育や文人たちの集会のために使われた場所も含めて、書院の敷地総面積は6000平方メートルもあります。記録によれば、17世紀半ばに南湖の附近には六カ所の私塾があり、「倚湖六院」と呼ばれていたそうです。宏村は小さな村ですが、三、四百年も前の人々が、いかに教育を重視していたかがわかりますね。

 村の中心部へ向かうと、路肩に石で築かれた水路が続き、清らかな水が流れています。住民がその水を使って、洗濯をしたり、野菜を洗ったりしています。牛の腸のような水路と呼ばれるその水路は、1405~1407年、住民たちが地勢の落差を利用して、西の渓流と東の地下水をこの地に引くため築いたものです。これにより、人々は便利で快適な生活を得たばかりか、火災などの被害も免れることができるのです。

 宏村で最も雄大な徽派古代民家建築が、「民間の故宮」と親しまれる承志堂です。歴史上からも明、清時代は、徽商の繁栄期ですが、承志堂は清末の塩商人・汪氏が1855年に建てた住宅です。役人と商人の一体化が特徴だった徽商は「故郷に錦を飾る」ため、ふるさとに豪邸を建てる習慣があります。承志堂の玄関を入り、中庭の八字門(八字形の門)を抜けると、ようやく主体建築の門楼(屋根付きの門)の前に出ます。どっしりと構えた門楼はなんとも威厳があります。レンガと材木で造られた建物の上部には、精巧なレリーフが施されており、当時の主の豊かさやこだわりがうかがえます。レリーフには戯曲や故事、民俗の祭事、吉祥動物、対聯などの内容が、それぞれに刻まれています。「文化大革命」が始まった1966年、人々はレリーフに泥を塗り、その上に毛沢東語録を張りつけたため、結果的にはレリーフが最良の状態で保存されました。その後、1986年に泥が取り除かれて、レリーフがもともとの姿を見せるようになりました。

 一方、世界文化遺産・西逓は、宏村の南から約15キロに位置します。村の入り口にそびえる石牌坊(鳥居の形をした石の牌楼)は、一キロ離れた外から見てもそれとわかる大きなものです。明、清代当時、西逓にはこうした石牌坊が15ヵ所ありましたが、歴史の変遷を経て、現存するのはこの1ヵ所だけとなったということです。

 西逓村に入ると、徽派民家の「博物館」に入ったような感じです。小道に面して古い家屋が建ち並び、しっくいを塗った白壁や濃い灰色の瓦、ひめがきや玄関上部のレンガのレリーフなど、いずれも徽派民家の特徴をよく表しています……

 二時間目は、安徽省の古代村落の宏村、西逓の地理的な情報、アクセス方法などをご紹介します。

 その後、宏村、西逓といった二つの村の近くの有名な観光スポット、木坑竹海、花山謎窟などをご紹介します。さらに、「グルメのコーナー」では、宏村、西逓近くの酔蟹、そして伯娘紅焼肉などをご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)

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