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11月8日

2013-11-09 15:50:12     cri    

 今日は朝から中国の夢に向かってひた走る姿を目の当たりにした1日となりました。合肥を出発し、阜陽市潁上県へとやって来ました。最初に訪れたのは八里河観光区。1995年に開園し2012年時点で延べ270万人を迎える大規模観光スポットとなりました。もともとは淮河流域の沼地地帯で、降水シーズンには浸水被害が出る地域でした。1991年には大きな洪水被害にも見舞われたそうです。そこで県は治水に力を入れ、実情にあわせた大規模整備を行い、現在のような観光区を誕生させたのです。自然環境を整えただけでなく、人々の収入アップも実現しました。

  

 観光区の中の観光スポット入口と湖です。

  

 区内には池や小山などがあり様々な風景が楽しめます。

 自然豊かな、のんびりとした街なのかと思いきや、次の見学先でそのイメージは見事に打ち破られました。

  

 五里湖生態湿地公園敷地内にある潁上規画展覧館です。今年の7月に開館したばかりの展覧館は最新技術を採用し、県の歴史や今後の街づくり計画を人々にアピールしています。

  

 街の中心を川が貫き、合理的で自然環境にも配慮した住みやすい街づくりの計画が大型スクリーンと模型で紹介されています。これだけなら、ほかの展覧館と大差ないですが、最後に案内されたのは4Dシアターです。3Dシアターは立体感を感じることができますが、4Dは動き、風、水しぶき、雨や雪などを体感できるシアターです。ここでは将来の街の生活の様子を体感できる仕組みとなっているのです。大型スクリーンには、新しい街の姿が映し出され、私達はまるで風になったみたいに街のあちこちを訪れます。万博の展示館にも負けない演出です。

 実際にこのあと現在の街の様子をバスの窓から眺めました。今は道路整備が終わったところで、なんとなく殺風景ですが、「この辺りはどうなるのかな」、といろいろと想像することができました。まさに映像&体感効果だと思います。規画展覧館は人々に期待と希望を与える夢の箱でした。

 展覧館のエントランスの中央ある1本の木が、農村地帯から現代的都市へと変わりゆく街の姿を静かに眺める門番のようで印象的でした。 "開発が進んでも自然を大切に"という県の意志を表しているかのようにも感じました。

 続いては阜陽市の切り紙専門会社・開源切り紙芸術有限公司を訪問しました。

 

  

 阜陽市の切り紙は無形文化遺産に指定されています。作業をしているのは耳が不自由な子ども達です。この会社では障害を持った子ども達に伝統技術を教え、将来の自立を支援しています。ほとんどは国内向けの販売ですが、ゆくゆくは海外にも販路を広げていきたいそうです。昔ながらの壁に貼るタイプや巻物だけではなく、切り紙デザインを生かしたランプシェードなども制作しています。

  

 上の写真は切り終えたものを布地に貼る作業です。右の写真は完成品で木の枝のあたりは非常に細かく、とても根気のいる作業であることがわかります。

 最後は花市場と現在、着工中の大型市場です。

  

 花市場や大型市場の建設は土地にあった産業を興すための取り組みです。

 実は阜陽市は人口1000万人を超えていますが、そのうちの260万人は出稼ぎに出ているのが現状です。住みやすい街であっても定着させるためには、就業機会の確保が今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。様々な場所の見学や、取材に応じてくれた方々の言葉には将来への期待がしっかりと感じられました。

 (文/写真:吉野綾子)

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v 11月6日 2013-11-07 14:14:50
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