この建築物、晋城市沁水県にある「湘峪都堂府」です。きのう紹介した「皇城相府」と同じ頃に建てられたものですが、一つ大きな違いがあります。
中を歩いていると、何かが植えられている畑がありました。そうです!ここは皇城相府と違って、城壁の中で、まだ20世帯の人たちが日々の暮らしをしているのです。
この家も、まだ人が暮らしています。
今年80歳の関永年さん。子供3人は独立して県外に住み、今は奥さんと二人暮らしです。「近くの畑で、トウモロコシや小麦、野菜を作って食べて、余った分は、売るのさ。年に3千元の生活補助も出るし、それで十分さ!」
生まれた時からここに住んでいるという、関さんが部屋の中を見せてくれました。
部屋は1部屋で15畳ぐらいの広さ。真ん中にドーンとテレビがあり、質素ですが、小ざっぱりとした落ち着いた雰囲気の部屋でした。「ガスは天然ガスが無料で供給されるのさ。ほら、こうやってつけるんだ」と、大きな鉄製のストーブにわざわざ、火をつけてくれた関さん。
城壁の外からは、うかがう事の出来ない暮らしぶりを見せてもらいました。ありがとうございました!
さて、この機械何をしているのかわかりますか?実は「コールベッドメタン」、を採掘しているのです。
「コールベッドメタン」は炭層ガスとも呼ばれ、石炭層から採取されるガスです。おもな成分はメタンで、天然ガスの価格上昇に伴い、新しい、エネルギー源の一つとして注目され始めています。
「コールベッドメタン」は
① 高品質のクリーンエネルギー
② CO2の排出量の削減。
③ 炭層からガスを抜くことで、炭鉱事故の減少という三つのメリットがあります。
石炭の海に浮かんでいると言われる晋城市は、この「コールベッドメタン」が中国全土の中で最も多く採掘され、利用されている都市なんですって!
すでに、晋城市や周辺の県(日本でいえば町になります)などには熱供給用のパイプラインが引かれ、地域開発の大きな柱になっています。さっき紹介した関さんが利用していたのも、このガスです。また、晋城市のバスやタクシーも、このガスを使っています。
グリーン、エコ都市を目指す晋城市では、この「コールベッドメタン」の今後の展開に大きな期待をかけています。
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