中国に来て以来、友人も増え、最近は中国茶をごちそうになるケースも多くなりました。実際にその作法はよく目で見ていますが、自分でやるとなると、「さて、どの順番だったかな」となかなか思い出せません。今回、浙江農林大学茶文化学院の取材の中で、ついに体験させていただく機会を得ました。全体を通じて、そのキーワードは心遣いの大切さです。中国茶芸とよばれる、その作法は相手との時間と空間の共有をお茶が引立てくれる魅力があります。
日本でも茶の作法に基づいていただいたことはありますが、やはり作法より味に気になる方です。中国茶でも「どうしてそんなにお湯をまさしく"湯水のように"たくさん使うのか」と、いつも疑問に思っていました。ところがそこにはお茶を最高の状態で相手に届けるという心遣いが隠されています。
さて、茶道具を前に、学院の先生と一緒に、一から真似してみました。しかし、道具に触るのはまだ早い。まず、お茶を出す相手へのあいさつから始まります。きちんとした立ちの姿勢から始まり、体の線を「く」の字にし、目線を下げすぎても上げすぎても不自然。心遣いには"カタチ"も大切ということも肝に銘じます。 次は相手の前に座るわけですが、やはり背筋を伸ばし、手の位置も重要です。挨拶のあと、やっと茶道具に手をつけるわけですが、そこには順番があり、そこから相手と共有する時間と空間がゆっくりと始まります。
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