――中国は日本と経済的に幅広く提携しています。地震発生後、トヨタ、ホンダ、日産などの自動車製造企業は日本国内の工場が生産を一時的に中止すると発表しましたが、中国にも日系企業の工場、合弁会社などがたくさんあります。地震は中国の経済にどんな影響があると思いますか。
日本と中国の経済関係というのは、相互補完性が非常に強くて、互いに一体となった経済になっています。日本から必要な材料、部品とかを供給できないかもしれないですが、そういう心配もあると思います。先ほど、日本の主要工業帯は大変ひどい影響を受けていませんから、短い時間のうちに、相当なところはカバーできるようになると信じています。まだ全体像がわかりませんが、そんなに長い時間ご迷惑をかけないことがないとを望んでいます。
――李克強副首相は先ほど、「中国の経済発展方式の転換における重大な任務は外需拡大を行うと共に、内需の拡大に務めていくことだ」と述べましたが、中国の内需拡大政策は外国の企業にとって大きなチャンスだと思いますか?
中国の内需拡大方針は世界経済のバランスを取ってるということで、大変すばらしい政策方針だと思います。これはある意味では中国のマーケットを広げるということで、世界中の企業にとってチャンスもたらすと思います。これは単なる輸出ではなく、中国に独資また合弁会社を作って、中国の企業として活躍して、中国の社会に貢献する機会が増えていくと私は思います。
――今回のフォーラムのテーマは「経済発展方式の転換における中国」で、李副首相も「経済構造の調整に導き、経済発展の質と効率を向上させていく必要がある」と強調しました。日本は世界でグリーン経済の技術は先端に立っていると思われますので、経済構造の転換を行っている中国が日本から学べる経験は何だと思いますか。
中国の政府も日本の政府も大変熱心にグリーン経済に取り組んでいます。中国は発展改革委員会と商務部、日本は経済産業省と日中経済協会が合同で日中省エネ環境総合フォーラムを立ち上げています。日本の進んだ環境、省エネ技術を中国にビジネスとして移転することを促進しようという目的にして、挿双方の政府は毎年1回集まって、今年は第6回目が中国で行っています。前回中国で行われたとき、李克強副首相は基調講演をなさって、省エネ、環境協力の重要性を強調されました。したがって、日本の産業界は中国に技術を移転することを奨励し、またお手伝いするという仕事をしています。具体的に言うと、われわれ日中経済協会は地方の政府とよく協議し、日本からのミッションを送って、中国側の企業と面談して、協力を進めています。このような協力をもっと進めることによって、中国と日本の企業がともにグリーン産業をもっと拡大することを私は期待しています。
最後に、日本の東北地方でもたくさん中国の人が働いていました。これらの方々の一部が地震の被害を受けたという方もいます。多くの方々は無事に中国に帰ったと思いますが、被災された方に対し、心からお見舞いを申し上げます。また、雲南の地震の全体像はまだわかりませんけれども、かなり大きな地震のようです。被害が少ないこと、人命の損傷も少ないことを心から念願します。(取材:陳博)
【プロフィール】
清川 祐二(きよかわ ゆうじ)さん
1965年 東京大学法学部卒業
1965年 日本通商産業省に入職
1980年 在サンフランシスコ日本国総領事館領事
1994年 日本通商産業省基礎産業局長
1995年 特許庁長官
1996年 海外経済協力基金理事
2003年 株式会社東芝代表取締役執行役員専務
2007年 財団法人日中経済協会理事長
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