海倫ピアノ外観
午後2件目の訪問先は、海倫ピアノです。1986年に寧波で創業したピアノ製造会社ですが、2001年に巨額な資金を投入して、日本のデジタル機器と製造ラインを導入すると共に、アメリカ、オーストリア、フランス、日本からピアノ技師やピアニストを招き、世界に向けた製品作りを始めます。そしてわずか4年後には、オーストリアやブリュッセルの音楽学校、パリのコンセルバトワールなどに採用され、ヨーロッパの市場に認められるという、まさに今の中国を象徴するような劇的な発展を遂げてきました。熱弁をふるう社長の陳海倫さんにこの会社のエネルギーの源を見たように思いました。
それにしても、港町の寧波でなぜピアノ作り?と疑問に思ったので聞いてみました。実は、中国で始めて作られたピアノは上海製でしたが、作ったのは寧波の職人でした。寧波はもともと優れた腕の職人が輩出した土地で、その後ピアノ製造を始めた職人グループも全員、寧波出身だったそうです。なるほど!
寧波で世界レベルの港と世界レベルのピアノに出会い、ちょっと気持ちが大きくなった1日でした。明日は、最終日。2007年、国連の「世界の調和の取れた村ベスト10」に選ばれた中国最初の農村観光モデル村・滕頭村を訪問したあと、北京に戻ります。(文:大野清司)
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