~『食品流通許可証管理弁法』の解説~
(国家工商行政管理総局第44号令)
2009年7月30日、国家工商行政管理総局により『食品流通許可証管理弁法』(以下『弁法』という)が可決、公布されました。本『弁法』は食品流通許可証の申請•受理、審査認可、許可証の変更及び抹消などが定められています。以下、本『弁法』の主な内容につき解説致します。
一、総則
① 流通の各段階で、食品事業を行う場合、法により食品流通許可を取得しなければならない。
② 食品生産許可を取得した食品生産者が自己の生産場所で自己の生産した食品を販売する場合、食品流通許可を取得する必要がない。飲食業許可を取得した飲食業者がその飲食提供場所で自己の加工した食品を販売する場合、食品流通許可を取得する必要がない。
③ 食品事業者は、法により「食品流通許可証」を取得した後、管轄の工商行政管理機関にて工商登記を申請しなければならない。「食品流通許可証」と営業許可証を取得しなければ、食品事業を行ってはならない。
二、申請•受理
「食品流通許可証」を申請するには下記の資料を提出しなければならない。
① 食品流通許可申請書
② 名称事前審査通知書(設立済の営業主体が経営目的の追加として許可申請する場合は不要。その代わりに営業許可書などを提出する。)
③ 食品事業に適した営業場所の使用証明書
④ 責任者及び食品安全管理者の身分証明書
⑤ 食品事業に適した営業設備及び器具のリスト
⑥ 食品事業に適した営業施設の見取り図及び作業工程の書類
⑦ 食品安全管理制度の書類
⑧ 省、自治区、直轄市の工商行政管理局が規定するその他の資料
企業の支店において食品事業を取扱う場合、その支店が各々に「食品流通許可証」を申請しなければならない。
三、審査認可
① 食品流通許可は、「営業場所」「責任者」「許可範囲」などが「許可事項」として審査される。
「許可範囲」の審査においては「事業品目」「事業形態」がその対象となる。
「事業品目」は「包装済み食品」と「未包装食品」の2つの種別に分けられ、「事業形態」は「卸売」「小売」「卸売兼小売」の3つの種別に分けられる。
② 許可機関は必要な場合、法定の権限と手順に基づき、申請人の営業場所にて現場確認検査を行うことができる。
③ 申請人から提出された食品流通許可申請について、許可機関は、受理日より二十日以内に許可するかどうかの決定を下さなければならない。
④ 許可機関の判断により、公共利益に関わる重大事項につき公聴の必要がある場合は、社会に公告し、且つ公聴会を行わなければならない。
四、許可の変更及び抹消
① 食品事業者が「許可事項」を変更する場合、元の許可機関に食品流通許可の変更を申請しなければならない。許可を経ずに勝手に「許可事項」を変更してはならない。
② 食品流通許可の有効期間は3年となっている。食品事業者が食品流通許可の有効期間を延長する場合、「食品流通許可証」の有効期間満了の30日前に元の許可機関に申請し、「食品流通許可証」を更新する。
③ 食品事業者が詐欺、賄賂などの不正手段、事実関係の隠匿、又は虚偽資料によって食品流通許可を取得した場合、許可を抹消しなければならない。
④ 「食品流通許可証」は正本と副本があり、正本と副本は同等の法的効力を有する。食品事業者は営業場所の見やすい位置に「食品流通許可証」の正本を掲示し又は備え付けなければならない。
五、まとめ
本『弁法』の実施前にすでに「食品衛生許可証」を取得している場合、その「食品衛生許可証」は引き続き有効ですが、「食品衛生許可証」が満期となったら、許可機関の審査を経て返上し、本『弁法』の規定により「食品流通許可証」を改めて申請することになります。
中国関連部門は今年、「中華人民共和国食品安全法」、「中華人民共和国食品安全法実施条例」、「流通環節食品安全監督管理弁法」を相次いで公布施行しました。これらの法整備は、中国政府及び関連部門が食品安全問題を重要視していることの現れであると言えます。食品に関する分野でご活躍の皆様は、関連法律法規の今後の動静にご注目されますようお勧めします。
以上は上海共同総合法律事務所(日本福庚外国法事務弁護士事務所)の張福剛弁護士(E-mail:fugang.zhang@kyodo-lf.com )により提供されたものです。
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