河北省石家庄・・・北京と天津の二大都市に隠れた古都
石家庄市のさまざまな顔(2)
「都市建設―三年で大きな変貌をとげる都市」
マイクロバスに乗り市街地をぐるりと一周。市企画局長が一つ一つの建物を詳しく紹介してくださった。立て板に水のような案内にきょろきょろ左右を見ながら、はっと気がついた。公園、広場、団地、道路の拡張・・・街の至るところが工事中なのだ。オリンピックを境に大きく様変わりした北京を見た人間をもってしてでも、ここ石家庄市の近い将来の変貌ぶりは想像を超えている。一体どんな街になるんだろう?
その答えは数十分後には目の前にあった!!
『石家庄市企画館』3階建て、ぴかぴかの大きなガラス張りの展示館は車のショールームのようだ。違うところと言えば、その圧倒的な広さと車の代わりに縮尺800分の1という市の巨大なジオラマが展示されていること。一階部分のほとんどを占めるこのジオラマの一部はガラス張りの床の下に透けて見える。
家々には電灯がともり、一直線のライトが高速道路を示している。天井の中央には四面の大スクリーンがあり、市の概要がビデオで紹介されていた。部屋のライティングが目まぐるしく変わり、一気に3年後にタイムスリップするかのような錯覚に捉われる。ちなみにこの施設お値段は2000万元(日本円で3億円)以下だとか・・・ともかく、一見の価値ありである。
「アニメ産業の発展する都市―アニメ漫画産業区の中心、東方美術学院」
市街地から車で4、50分ほど走っただろうか、市の中心からほぼ一直線の道路で結ばれたアニメ漫画産業区。周りに大きな建物は少ないが、産業区に入ってすぐのところに東方美術学院の朱色と瑠璃色に彩られた門が見えた。
石家庄市のもう1つの顔は、アニメ産業だ。意外に思われるかも知れないが、実は2006年から国際アニメ漫画祭が行われており、07年には国家アニメ漫画産業発展基地に指定されているのである。学院長個人の資産でつくられたというこの石家荘東方美術学院は7学科21の専門分野、学生総数は7千人あまり、中国のアニメ界をしょって立つ人材を輩出している。自身が画家として明治大学で特別講義を行ったこともある学院長は、日本との交流も深く、「当学院には26人の日本人教師がおり、発達した日本のアニメ技術を日本と同じ方法で教えている」と誇らしげにお話くださった。さて、その学生達の様子はどんなものか?夏休みということで、学校に残っている学生は少ないものの、
アニメの下絵を描いていたり、コンピューターにかじりついてCGを仕上げていたり、2m近くもある彫刻に向き合っていたり・・・皆、真剣な表情だった。
あるアニメ作品はCCTVでも放送され、精巧なフィギュア作品は日本にも輸出さているそうだ。そのレベルの高さに正直びっくりした。ここ石家庄市のアニメ産業・・・今後が楽しみだ。
(7月9日 取材・文 大澤)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |