「最も食品安全で安心できる都市」

　昨年、中国いや世界を騒がせた粉ミルク事件および輸出食品問題はまだ記憶に新しいだろう。奇しくもその舞台となり、一躍脚光を浴びることになったのがこの石家庄市だ。事件後の取り組みとして掲げられたのがこの標語。

　法の整備、管理体制の厳格化、監督システムの再構築・・・とあらゆる措置を採り、今、全市をあげて生まれ変わろうとしている。

　雨の中、自分達が濡れるのもいとわず、私たち記者団に傘を差しかけ笑顔で対応してくれた社員の皆さん方。

　三元乳業の工場を見学して感じたことは「安心」だった。

　「環境保護の都市」

　古くから中国一の薬の都市と知られる石家庄市。ここの中心企業といえる製薬メーカーの石葯グループの工場を見学した。広い広い敷地の中に、ひときわ大きな設備が目に入った、汚水処理システムだという。丸い大きなプールのようなため池の大量の水がひっきりなしに処理されていく。工業の発展と同時に

　CO2削減、汚水削減に取り組んでいる。環境保護局長の言葉が耳に残った。「発展と環境保護は矛盾しないのです。」 （7月8日　取材・文　大澤）