2010年に開催される広州アジア大会は、2008年の北京オリンピックと2010年の上海万国博覧会についで、中国で行われる最も重要な国際的なイベントとなります。今、広州アジア大会に開催に向けて、その準備が順調に進められています。

　中国政府は2010年のアジア大会を非常に重視していて、2005年7月23日、国家体育総局の劉鵬局長を主席に、広東省の黄華華省長を実行主席として、2010年第16回アジア大会組織委員会が設立されました。今、この組織委員会は国家体育総局やアジア各国のスポーツ関連団体と協力して、スタジアムと体育館の建設などを着実に進めています。

　アジア大会の広州開催が決定した時の取り決めに従って、この大会では、OCA・アジアオリンピック評議会の規約などアジア大会の原則と規定を遵守し、加盟各国のアスリートやメディア、スポンサーに対しての様々なサービスを提供することになっています。

　広州アジア大会組織委員会の古石陽副秘書長は「私たちの目標とは、最高の施設、最高の組織、最高のサービスを最高の環境で、最大規模で最高のアジア大会を開催することである。それを私たちが成し遂げる」と説明しました。

　現在、新しいスタジアムと体育館の建設工事が始まり、そのほか大会で使われる施設の拡張工事も始まりました。また、競技場のほとんどと選手村も開かれる広州アジア大会タウンの建設工事も、2007年11月26日に正式にスタートしました。この工事のことを古石陽副秘書長は「アジア大会で最も大きな建設プロジェクトはアジア大会タウンである。今、この工事は順調に進んでいて、予定より早く完成するかもしれない」と語りました。

　広州アジア大会はアジア大会史上、種目数と出場選手の数で最大規模となります。この大会で行われる42の競技種目のうち、オリンピック種目が28含まれています。さらに、この広州アジア大会から組み入れられることになった競技もあります。クリケットや囲碁などは今回初めて行われることになりました。こういった競技種目に、40カ国と地域から1万4000人の選手と関係者が参加します。

　ところで、去年から続いている国際金融危機がアジア大会に大きな影響を与えるのではないかと不安を抱く人がいます。ところが古石陽副秘書長は広州アジア大会を開催することで得られる経済的効果のほうが大きいと楽観視しています。古石陽副秘書長は「アジア大会を開催する上での困難といえば、国際金融危機の先行きが予測できないことだろう。アジア大会を開催することで市場を開拓し、本来の目標を達成する上で金融危機は影響を与えるかもしれないが、現在の状況から見れば、すでに目標の第一段階は達成できている」と述べました。

　アジア大会が広州で開催されることについて、広州の人々に聞いてみたところ、多くの人が熱意を持って協力したいと答えています。市民の劉永君さんは「広州市民として、アジア大会が楽しみである。マナーやきちんとした言葉遣いを身につけて、広州を訪れる人すべてに気持ちよく過ごしてもらいたいと思っている」と語りました。

　現在、広州アジア大会の総合的な競技日程について、おおむね調整できました。また関連施設の建設工事も全面的に進められています。開会式や閉会式、聖火リレーのプランも決定しています。また、大会の資金面ではすでに23社の企業と、広州アジア大会の公式スポンサーとサプライヤーとして正式に契約を結び、契約金は総額で20億元、およそ300億円に上っています。

　広州は2010年のアジア大会を最高のスポーツの祭典とするため、そして人々の心に残るイベントにしようと力を尽くしています。