<国務院常務会議、経済の過熱化傾向に警戒感>
中国国家統計局はこのほど、第一四半期(1月ー3月)の国民経済の動向を発表しました。それによりますと、GDPは昨年同期比11.1%増で、この伸び率は昨年同期より0.7ポイント高くなっています。また消費者物価指数(CPI)は昨年同期より2.7%上昇したということです。
3月のCPI、規制値ラインを突破
全般的な経済情勢について、国家統計局の李暁超報道官は記者会見で、「安定的で、速い発展を保ち続けている」と述べました。しかし、李報道官は同時に、「経済が引き続きテンポを上げて発展していくなら、現在の『やや速め』から『加熱』に転じる恐れがある」と指摘しました。
統計によりますと、中国経済は4年連続で、10%以上の伸び率を保ち続けている中、今年第一四半期のGDPはさらに11.1%増えて、5兆287億元となりました。また、CPIの上昇幅は2.7%で、昨年同期より1.5ポイント高くなっています。このうち、食糧は6.2%、たまごは24.1%、水道、電気、ガスはそれぞれ5.1%、3.4%、3.7%値上がりしました。なかでも、3月のCPIは昨年同期に比べて3.3%上昇し、昨年以降、ひと月のCPIでは、中央銀行が定めた3%の規制値ラインを初めて突破しました。
李報道官は、「第一四半期のCPI平均は2.7%の上昇で、3%以内という年間規制値を下回っている。しかも、その中から、食糧価格の急上昇という要素を除けば、実質の伸び幅は1.2%なので、前年同期とほぼ同じレベルである」と述べました。
李報道官はさらに、「今年は資源の価格形成メカニズムに対して、改革を行う。このため水道、天然ガス、暖房用の熱供給などでの価格の値上がりが予想される。しかし、国は価格の動向に応じて、適切な時に政策を発表していく」と強調しました。
固定資産投資の増幅が下落へ
GDPとCPIの上昇が顕著である一方、投資の伸びは低下しました。第一四半期の固定資産投資は昨年同期より4ポイント下がり、伸び幅は23.7%となっています。また、全国の一定規模以上の工業企業(年間売り上げが500万元以上の企業)の利益は、昨年同期比43.8%の増加を実現しました。
このほど行われた国務院の常務会議は、第一四半期の経済運営の情勢を分析した上で、「現在の経済運営において、一部の際立った矛盾と問題があることに注目する必要がある。それは主として、食糧の増産と農民の増収が難しくなっていること、省エネの任務がますます重要になっていること、金融機関の融資の伸びが早すぎること、固定資産投資が再び増加する恐れがあること、さらに、貿易黒字が引き続き増加していることなのである」と指摘しました。会議はさらに、経済の過熱化や、大幅な変動を防ぐ必要があることを指摘して、これから、重点的に取り組んでいく措置を確定しました。(『新京報』より、翻訳:王小燕)
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