温家宝総理の「政府活動報告」は、今年の貿易政策の重点として輸出入構造の改善、貿易成長モデルの転換、輸出超過(貿易黒字)の緩和努力を挙げました。輸出入構造の改善と貿易成長モデルの転換は、どうすれば実現できるでしょうか。これについて、国務院研究室総合局の陳文玲局長は、以下のように見ています。
第1は、自主ブランド・高付加価値製品の輸出支援。コア・コンピタンスを持つ製品や自主ブランド製品の開発を加速し、輸出ブランドの効果的な支援体制を構築し、輸出製品の付加価値を高めていきます。
第2は、エネルギー消費率や汚染性の高い製品、資源製品の輸出抑制。国内の資源環境への圧力を軽減するため、エネルギー消費率の高い製品の輸出に対しては、増値税(付加価値税)還付を取り消し、適切な資源税を課す必要があります。環境を汚染する輸出製品に対しては、環境税を課すべきです。
第3は、エネルギー、原材料、先進技術設備、コア部品の輸入増加。重要資源の輸入体制を整備し、石油・鉄鉱石・穀物など重要資源の輸入戦略を早急に策定し、石油を始めとする戦略物資の備蓄体制を構築し、安定した、スムーズで安全な、多くの輸入ルートの開拓に努力していきます。
第4は、サービス貿易の拡大努力。サービス貿易はサービス業発展の目安として、次第に国際的な貿易や投資の重要な構成部分となっています。量は大きいものの、利潤は小さく、価値は少ないという中国の貿易状況を変えるには、サービス貿易の比重を増大させる必要があります。
第5は、加工貿易のモデル移行とグレードアップの促進。加工貿易は、経済グローバル化を背景に発展途上国が国際分業・国際貿易に参加する上で有効なモデルです。この貿易モデルは中国の国情に合い、雇用促進や輸出拡大の面で重要な役割を果たしてきました。国際分業のすう勢と中国の発展水準から見ると、加工貿易には今後も相当期間発展の余地があるが、加工チェーンが短い、付加価値率が低い、利益が少ない、貿易摩擦を激化させやすいなどの問題があります。したがって、加工貿易のモデル移行とグレードアップを促進し、加工貿易の川上・川下への発展を促し、国際分業のバリューチェーンにおける中国の地位を早急に引き上げることが、差し迫った必要となってきます。(文:人民網より,写真提供:SOHU Business)
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