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調和の取れたチベット高原
   2007-04-13 10:23:33    cri

 数千年の間、世界の屋根と呼ばれるチベット高原は、世界各地の探検者や観光客を引き付けています。青海チベット鉄道の開通や中国の西部大開発をきっかけに、チベットには未曾有の発展のチャンスが訪れています。

 新中国成立の後、1951年に、チベットは平和解放されました。そして、1959年に民主改革が行なわれ、封建的な農民奴隷制度が廃止されました。1969年にはチベット自治区が設立され、民族地域自治制度が実施されました。50年余りの間、中央政府と全国人民の支援の下で、チベットの経済社会は急速に発展し、人民の生活レベルは絶えず向上しています。

 2006年7月1日、青海チベット鉄道が全線開通しました。

 2006年7月6日、40年以上に渡って中断されていた中国とインドの貿易ルート、乃堆拉山口(ナトゥラ峠)が再開されました。

 2006年9月1日、林芝(ニンティ)空港が正式に使用開始となりました。

 2006年、チベットでは5万9千世代、29万人の農牧民が新居に引っ越しました。

 2006年、チベットのGDP成長は13.4%に達し、連続6年12%以上の伸びを保ちました。

 2006年、チベットの都市部と農村部の消費レベルが大いに向上し、22%以上の伸びを遂げました。

 2006年は第11次五ヵ年計画の一年目の年です。この一年間、チベットは多くの歴史的なチャンスに恵まれ、調和の取れた発展への道を歩みだしました。これについて、全国人民代表代表大会常務委員会の熱地副委員長は興奮を隠しきれない様子で、「チベットが歴史上、最も安定し、最も発展している時期にある」と語りました。

 「現在、チベット自治区では、政治が安定し、経済が繁栄し、社会が調和を取っており、民族が団結し、住民が幸せに暮らしています」

 また、全人代代表、チベット自治区の向巴平措区長は「西部大開発や、チベットへの支援拡大、青海チベット鉄道の開通など、チベットは今いろんな発展のチャンスに恵まれている」と語りました。また、チベットの現状から出発し、優位な点を生かして産業構造の転換を促し、人と自然の調和的な発展を推し進め、チベット人民に実のある発展の道を歩まなければならないとの考えを示しました。

 「第一次産業のレベルアップ、第二次産業の重点的発展、第三次産業の大発展を推し進めていきます」

 向巴平措区長によりますと、調和の取れた経済発展を促すには、調和の取れた産業構造への調整をしなければなりません。第一次産業のレベルアップとは、伝統農業から現代化農業への発展を促し、農業や牧畜業の特色や優位性を生かして農牧民の増収を果たします。第二次産業の重点的発展とは、交通などのインフラ施設を整え、優位性のある鉱産物資源や高原の生物や薬草資源、民族工芸品の開発などに取り組みます。第三次産業の大発展とは、青海チベット鉄道の開通によって、観光業や流通業の発展に力を入れ、都市部と農村部の格差を縮め、調和の取れたチベット高原を建設するということです。

 そして、調和の取れたチベットの建設に不可欠なのは、教育の発展です。

 「解放前、チベットには現代的な教育がなかったため、字の読めない人は95%以上、入学率は僅か2%しかありませんでした。しかし、50年間の努力によって、チベットでは、幼稚園や小、中学校などの基礎教育、大学などの高等教育、そして職業教育や特殊教育など、全部が揃うようになりました。いま、在学生の数は53万8千人で、6校の大学、7校の職業学校、118校の中学校、8800校の小学校、1300ヶ所の農村教育拠点があり、教育の普及はほとんど実現しました」

 向巴平措区長によりますと、いま、チベットでは、小学校への入学率は96.5%、中学校は82%、高校は39%、大学は15%だということです。これらのデータは都市部と比べるとまだ低いものの、面積が120万平方キロ、平均標高が4000メートル以上、人口がかなり分散しているチベット高原で、このような成績を遂げるのは、そう簡単なことではありません。

 教育と医療問題は住民の生活と密接に関わっているものです。教育の面では著しい成績を上げましたが、医療衛生の面ではどうでしょうか。両会議に参加していたチベット代表団の益西央宗さんに伺いました。益西央宗さんはチベット自治区人民病院の小児科医師として勤務し、32年間医師の仕事に従事してきました。

 「医療の面では、チベットはほかの地区とちょっと違います。チベットは、農牧民と都市部住民を対象に、無料の医療を基本とする制度を実施しています。国は毎年すべての対象者に医療補助金を与えます。最初はひとり当たり40元からスタートし、60元、80元・・・今はひとり当たり100元です。この補助金額は、中国のほかの地区より多いです。チベットは少数民族が集まる辺境地区で、経済社会の発展が立ち遅れています。国の支援の下で、今、ほとんどの県や郷(日本の町、村に当たる行政区画)には医療室が設けられ、医療室の拡張工事が行われている地区もあります」

 調和の取れたチベットの建設には、伝統文化の保護も重要な一環です。いま、チベットでは現代文化の普及とともに、チベット文字の勉強や普及も進められています。伝統文化の保護、伝承は中央政府からも注目を集めています。これについて、チベット代表団の団長、チベット自治区人民代表大会常務委員会の列確主任は次のように紹介してくれました。

 「1980年代以降、国は7億元以上の資金を拠出してポタラ宮など世界文化遺産に指定されている古い建築や寺院を修復しました。またチベットの長編叙事詩「格薩爾王」や、チベット劇など15項目の文化財は国務院が最初に認定した国の無形文化財にランクされました」

 列確主任の紹介によりますと、チベット自治区には、1700ヶ所のチベット仏教の活動場所が設けられ、チベット住民の宗教信仰の自由は十分に保障されているということです。

 調和の取れたチベット高原、これはチベット人民の願いだけではなく、すべての中国人の願いでもあります。いま、中央政府から各政府機関や地方政府、企業に至るまで、チベットの建設に資金的、あるいは人的な支援を提供しています。全人代代表で、チベット自治区共産党委員会の張慶黎書記は1年半前から、.チベットで勤務するようになりました。

 「中央政府は全国の力を上げてチベットを支援しています。17の省、17の大型企業や中型企業、59の政府機関が絶えずチベットに人的援助を提供しています」

 全国人民の支援の下で、科学的な発展観に基づき、調和の取れた発展の道を歩んでいる。これからチベットの経済社会は一段と順調に発展していくでしょう。(文/取材:劉叡琳)

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