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お酒の発酵剤(二)
   2008-10-16 16:52:07    cri
 古代ギリシア人は早くからビールを作り、バビロン人は紀元前2800年代にビールを飲む風習が盛んになっていました。西洋で穀物酒、例えばウィ?スキーやウォトカなどもずっと麦芽の糖化プラス酵母と言う方法が取られ、19世紀90年代の頃になってはじめてフランス人化学者が中国の酒麹から糖化力が強く、アルコール化作用のある麹菌を分離してアルコール生産に応用し、西洋での造酒も糖化剤の麦芽を使わなければならないという情況を改めたのです。

 中国の穀物を原料として作られる麹は使用に便利なだけでなく、固態培養物を利用して微生物を保存する良い方法でもあります。

 麹を低温で乾燥した場所に保存すれば、麹の中の微生物は冬眠状態に入り、糖化作用と発酵作用の力はいくらか低くなりますが、しかし、長時間保存することによって浄化作用と環境に慣れてくると言う作用が起こります。これこそ一種の菌種の多様化の独特な巧みな保存法と言えましょう。

 それだけでなく、私たちの祖先は加熱殺菌という方法で、お酒を保存する方法をも編み出しました。アルコール度の低いお酒は酒の中の微生物を殺してしまわなければ、保存期間が長すぎると変質してしまいます。1117年に書かれた『北山酒経』という書籍にお酒を加熱して菌を殺す方法が記されています。

 麹の製造と麹を使っての造酒の過程は実際には微生物に対する接種、選択、培養、応用の過程でもあります。つまり、中国人の祖先は世界でも最も初めに微生物、主にばいきんと酵母菌の成長繁殖の法則を掴み、人類の生産と生活に効果的に応用した民族なのです。

 中国は国土が広い上、地形も複雑で、気候も多様化し、地理な環境も千差万別です。それだけに微生物も種類が多く、微生物を培養し、利用する素晴らしい条件があったわけです。麹の製造技術が進歩する中で、酒麹の品質も絶えず向上し、種類もますます多くなってきました。

 紀元前22世紀から紀元前11世紀の殷や商の時代、酒麹の製造は成熟し、大きな規模で醸造に使われていました。しかし当時の麹は麹蘖といってカビの生えた穀物で、微生物も純粋なものではなく、勿論、糖化力も大して強くなくチマーゼも極少ないので、酒を作るには大量の酒麹が必要であったようです。

 紀元前11世紀から紀元前256年の周の時代、この頃になりますと、酒麹も大きく発展し、酒麹の種類も黄麹などこれまでに比べて、ずっと純粋な麹がつくられるようになりました。話がちょっとズレますが、中国に飴が誕生したのもこの頃だと聞いています。麹をつくる過程の副産物です。

 でもその頃の麹は粒のもので塊状のものになっていません。それを完成したのは今から2千年ほど前の漢の時代です。

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