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百聞は一見に如かず
   2008-03-04 14:08:39    cri

 さて、今日のこの時間は中国の成語をいくつかご紹介しましょう。

 まず最初は、「百聞は一見に如かず」です。これは昔の本「漢書・趙充国伝」から。

 「百聞は一見に如かず」

 前漢時代。西北にいるチベット系遊牧民である羌が軍を率いて国境を越え町や城を攻め落とし、建物を焼き、殺しを繰り返し、物を奪っていた。これを耳にした時の宣帝は怒り、さっそく臣下と武将を集め、兵を率いて敵と戦うものはいるかと聞く。これに臣下や武将たちはしばらくひそひそと語り合っていたが、やがて一人の老いた武将が前に出た。

 「申し上げます。わたしめが参りましょう」

 この声に宣帝と臣下たちはそのものを見てびっくり。名乗り出たのはなんと、76歳になる武将の趙充国だったのだ。

 「おお!充国であったか。そのほうはこれまで何度も羌と戦っておるのう」

 「いかにも」

 「では、その方、このたびはどうするつもりじゃ?」

 「百聞は一見に如かずでござります」

 「うん?なんと申す?」

 この答えに宣帝はいくらか首をかしげ、他の臣下や武将たちも顔をしかめた。そこで趙充国はいう。

 「およそ戦のことは、実地を見ずには遠くからは計りがたいもの、ゆえわたくしめは辺境に赴き、図面を引いて方策を奉りまする」

 これに宣帝はしばらく考えていたが、他の臣下や武将に異議を唱えるものはないと見て「よかろう」と答えた。

 こうして、趙充国は一陣の人馬を率いて黄河をわたり、小山の後ろに身を潜めていると、敵の一部隊が来たので、これへ攻め入り多くの敵を捕虜にした。これに喜んだ部下たちはこれから一気に攻め込むよう趙充国に願い出た。すると趙充国は厳しい顔で答えた。

 「いかん!のぼせ上がってはならん。考えてみろ。我らは都から遠くここまで来たので、疲れておる上に、地元のことはまだはっきりわかっておらん。もし、いい気になって逃げた敵を追ったりすれば、下手をすると伏兵にであい、ひどい目にあうかも知れんのだぞ。百聞は一見に如かずじゃ!都ではここのことを耳にしたものの、この目でここの様子を細かく調べ、十分に実際のことを知るほうか大事じゃ!」

 これに部下たちはうなずいた。そこで趙充国は自ら部下を率いて地形を調べ、また、捕虜となった敵の武将から敵の細かい状況を聞きだした。そして辺境を堅く守り、治め、敵を瓦解させる方策を決めてそれを都の宣帝に送った。

 これに宣帝は大喜び。さっそく趙充国の計画したどおりに事を運び、大軍を辺境に派遣したので、超充国はこれを率いてやがては敵を退け、辺境を守り抜いたという。

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