十一月に入り、中国の北方地方の山々は黄色く色づき始めました。北京の紅葉の名所・香山では、今、秋の青空に紅葉が鮮やかに染まり、古いお寺の鐘が遠くから聞こえくる、そんな、一番良い季節を迎えています。
今日の中国民族メロディーでは、月琴の協奏曲「スケッチ:北方民族の生活」をお楽しみいただきます。この曲の作曲者は、中国の有名な作曲家・劉錫津。1970年代末に彼は、中国北方地方の少数民族の多く住む地域に深く入り込み、蒙古族、エヴェンキ族、ホジェン族、オロチョン族などの民族と生活を共にして、音楽で中国北方地方の少数民族の風情を四つの絵に描き出しました。
では、まずお聞きいただきますのは、この協奏曲の第一部分、蒙古族の盛大なお祭、ナダム祭での競馬の一場面を描いた、「騫馬(競馬)」です。
速いリズムの軍鼓が月琴の角笛のような前奏を引き出し、蒙古族の風情に溢れる軽快なリズムで、お祭の楽しい雰囲気を表現しています。
M. 「騫馬」
今、お聞きいただいていますのは、月琴の協奏曲「スケッチ:北方民族の生活」の第一部分「騫馬(競馬)」でした。
協奏曲は続いて、エヴェンキ族の生活風景を描き出します。
森に住む人々という意味のエヴェンキ族は、北方の雪の多い地方に住む少数民族で、彼らの主要な交通手段は、トナカイの引くそりでした。
この協奏曲第2章では、月琴と笙でエヴェンキ族がトナカイを飼いならす時の呼子の音を表現し、続いて、月琴でトナカイとエヴェンキ族の子ども達の楽しい生活を生き生きと描いています。
M. 「トナカイ」
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