中国東部の大都会・上海には今、空に向けて、その体を伸ばし続ける建物があります。上海環球金融センターです。竣工すれば、高さ492メートルの「世界で最も高いビル」となります。また、同じく上海で、2010年の万国博覧会に向けて交通・都市環境の整備が進められています。
さて、こんな上海では10月18日から1ヶ月にわたって、第9回上海国際芸術祭が開催されています。1999年から毎年秋に開かれ、中国の京劇、ヨーロッパやアメリカの管弦楽・バレエ・オペラ、それにポップスのコンサートなどさまざまな公演が楽しめる大イベントです。
今回の芸術祭には、海外から29、中国国内から26の演目がありますが、去年から唱えられてきた中国の「原始生態型(手が加えられず古来のままの)」芸術がとくに目を引いているようです。その一つとして、チベット文化をテーマにした大型歌舞劇「蔵謎(チベットの謎)」が上演されました。
出演者は、1人を除いて、みんなチベット族で、しかも半数以上が農牧民だということです。歌や踊りの専門的な訓練を受けたことのない人たちですが、上海を前に、武漢・杭州・南京などの都市をまわった公演で、毎回も90%以上の観客動員率をあげました。伝統楽器の六弦琴、長袖舞、それに西洋のタップダンスに似た踊りなど、プロのシンガーやダンサーに絶対に負けない舞台を披露しました。
「カルチャーピックアップ」では、こんな歌舞劇「蔵謎」について、上海公演の現場の様子をメインにご紹介します。
「中国昔話」は、昔の本「太平広記」から「月夜の客」と「おかしな雷さま」というお話をお届けします。
今週の「カルチャーパワー」、どうぞお楽しみください。(鵬)
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