頭に紺色の帽子をかぶって、腰には同じく紺色の前掛け。包丁、ハサミ、ナイフなどいろいろな小道具を積んだ自転車に乗りながら、鉄片をつなぎ合わせた楽器のようなものを振って、チャリンチャリンと音を立てながら胡同(フートン)を廻る……。これは、昔、北京の町中でよく見られていた刃物研ぎ職人です。このほかにも、スイカ売りや、糖葫芦(サンザシの飴)売りなどがいました。彼らの仕事には、共通したところがあります。広告の手段として、歌のような売り声を出しながら売ることです。
今回の「カルチャーピックアップ」では、草の根の芸術といえる「物売りの声」をご紹介します。北京で「呼び売りの王様」と呼ばれる臧鴻さんにお話を伺いながら、この、数百年前から伝わってきた下町の音声を楽しみましょう。
その次の「中国博物館めぐり」では、今回、「宋慶齢故居」を訪ねましょう。中国民主の父と呼ばれる孫文の夫人・宋慶齢が、ここに住んだのは、1963年4月から1981年5月までです。場所は、北京の後海の北岸にあります。もともと、清朝最後の皇帝・宣統帝溥儀の父親の住まいだったのです。
ここには、宋慶齢の生前の手紙や愛用品のほか、毛沢東元国家主席や周恩来元首相の直筆の手紙、孫文と結婚したときの誓約書も保存されています。
宋慶齢さんの寝室を訪れたとき、テーブルの上に、ガラス製の魚が置かれているのに気づきました。お腹を空かせたこの魚は、なにに使われていたのでしょうか。答えは、今週の「博物館めぐり」で発表します。
「中国昔話」では、「酔っ払いと化け物」、「不気味な白い雲」、「不思議な調べ」という三つのお話をお届けします。
今週の「カルチャーパワー」、お楽しみください!
(鵬)
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