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(三)「若返りの仙丹」ー1
   2006-12-06 16:33:00    cri
 次は「伝記」という書物から「若返りの仙丹」です。

「若返りの仙丹」(江叟)

 時は開成年間、江という道教を信じている人がいた。六十を過ぎた江さんは笛が吹くのがうまく、出かけると多くは永楽というところの霊仙閣で一人で笛を吹いて楽しんでいた。江さんは時には酒を飲み、この日はかなり気持ちよくなったので、あるとても大きなアカシアの樹の下で休んでいるうちに寝てしまった。そして眼が覚めると夜半になっていたので、近くの井戸の水を汲み飲んで顔を洗い、頭もいくらかはっきりしてきた。すると大きな物がこちらに来る音がしたので、さっそく近くの草むらに隠れた。すると大男がこちらに歩いてきて、さっきまで江さんが寝ていた樹の横に座り込んだ。そして樹を揺らして言った

 「兄貴。久しぶりだね」

 すると、なんとその樹の上から誰かがこたえた。

 「兄弟よ。ご苦労だったな」といって同じような大男が樹から下りてきた。これには江さんびっくり。声が出るのをこらえて見守った。するとすわっている大男は腰に縛ってある袋をあけて酒や肴を地面に並べ、二人の大男はその場で酌み交わし始めた。そして話を交わす。

 「兄貴はいつまでここにいるつもりだえ?」

 「そうだな。あと数百年たったら引っ越す」

 「そんなことしてるよりも、速く姿を変えて立派な建物に変わればいいのに。このままの姿じゃ、つまらないだろう?」

 「それもそうだな。で。兄弟は」

 「おれも、近く姿を変えて立派な建物に変わろうと思っているんだ」

 こうしてしばらくたったが、急にここにきた大男が、「じゃあ。またいつか会おう」といって立ち上がり、どこかへ行ってしまった。そして樹の上から降りてきた大男も、樹の上にあがり、あたりは静かになった。

 さて、この様子を草むらから見ていた江さんは、自分が動くと樹の上の大男がまた降りてくるのではないかと恐れ、夜が明けるまでそこを動けなかった。やがて夜がすっかり明け、ここを通る人がいるので、江さんはやっと草むらを離れた。

昔話
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