万寿寺という名前を聞いただけで、長生きできるような気分になりませんか。北京の名庭園・頤和園には万寿山と名づけられた山があります。やはり、長寿を祈ってのことでしょう。
万寿寺は1577年、明の時代に皇帝の長寿を願って建てられたもので、清の皇帝もこよなく愛し、康煕帝、乾隆帝は改築や増築に力を入れました。万寿寺は西三環路沿い、紫竹院公園から西北へ300メートルほど離れたところにあります。前には頤和園の昆明湖から流れ出た「長河」があります。両岸はコンクリートで整備されていますが、この川は北京の水路として重要な役割を担っていました。いまは、ここを小型の遊覧船が行き来しています。万寿寺は北京の西に位置していることから、「京西小故宮」とも呼ばれています。
北京芸術博物館は、このお寺の建物の一部を利用してオープンしました。1987年のことです。お寺は3万平方メートルという広い敷地ですが、このうち、1万4000平方メートルが、博物館として使われています。研究院の孔祥利さんによりますと、当時、北京には博物館が少なく、市民に広く中国文化を伝える目的で設けられました。
収蔵品は約7万点。古代から明、清の時代に至るまでの書画、陶器、青銅器、玉石器などが展示されています。観音像や菩薩像は歴史のあるものですが、変わったものも見つけました。
水を入れる容器、アクセサリー入れ。お祝い事があると交換しあったという如意と呼ばれる置物。
文房具のコーナーでは、筆や紙入れ、筆置きとともに、文字を書くときにひじをのっけた台、中国語では「臂擱」といいますが、これもありました。また、清の時代は、右手の親指を手紙や文書に押印することが流行ったそうです。その朱肉入れもいくつか並んでいます。
万寿寺には、自慢の8つの景観があると言われています。案内板を見ながら、「京西小故宮」の散歩を楽しんでください。
住所:北京市西三環北路蘇州街
電話:6841ー3380
休館日:月曜
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