|
|
|
麗水学院の校庭、遠くには新しい図書館 |
麗水学院の呂立漢副院長 |
資料館にいる姉の藍しょう梅 |
シェー族の多くは漢民族の人と雑居しています。そして中国経済の急速な成長がその原因の一つだと思いますが、知らず知らずのうちに、自民族の特色を少しずつ失っているような気がします。ですから、その文化をいかに継承していくかが今の課題となっています。
実際に行動して、この課題を解決しようとしている人たちがいます。わたしの故里、浙江省麗水市の麗水学院のみなさんです。
麗水市には8万ほどのシェー族が住んでいます。麗水学院の前身は麗水師範学校で、小、中学校の先生を養成する地方大学の一つです。
シェー族研究所の所長をつとめている呂立漢副院長は、「麗水はシェー族が集まって暮らしている地区のひとつで、全国で唯一のシェー族自治県??景寧シェー族自治がある。麗水学院は地方大学の一つとして、民族的な特色を持つというのがその特徴だ。そしてシェー族資料館設立の目的は、シェー族にかかわる有形、無形の文化財を守るためだ」と話しています。
2003年から2年ほどの準備を経て、シェー族資料館が出来上がりました。それと同時にシェー族研究所も発足しました。
先日、取材に訪れた時、シェー族資料館の副館長をしている私の二番目の姉がそこを案内してくれました。
広々とした校庭には立派な新しい図書館があります。そして、その六階にはシェー族資料館があります。
シェー族資料館は二つの部屋からなっています。一つはシェー族文献資料室です。シェー族の文化などを扱った本や雑誌などが並べられています。そして関係する写真。中には、日本の国会議員にあたる全国人民代表大会の代表として会議に参加したシェー族女性の写真も掲げられています。それに、数多くのトロフィー。これはシェー族の選手たちが全国の少数民族スポーツ大会に出場して、優秀な成績を修めた証です。
その隣の部屋はシェー族に関する実物の陳列室です。壁一面にかかっているのは、景寧シェー族自治県の春、朝の景色の写真です。部屋の真ん中は、陳列ケース。中には、先祖にまつわる伝説を記した絵巻や様々な家系図、新中国成立前の土地売買契約書など、そしてシェー族の民族衣装やカンザシなど飾り物。
また赤い絨毯の上にはシェー族の人々がかつて使っていた、あるいは今でも使っている道具が並べられています。農耕の道具である鋤や鍬、日用品、竹で作られたかごや入れ物など。わたしは小さい頃、祖母と一緒に農村で生活していました。祖母に連れられて野良仕事をやったこともありますが、それらの実物を見て、とても懐かしく感じます。姉は「これは従兄弟のお兄ちゃんが作った竹製の入れ物。料理を入れるのに使うんだよ」と教えてくれました。その入れ物は三十数年前、従兄弟が師範学校に進学したとき、自分で竹の筒を使って作ったものです。このようなシェー族に関する実物は、シェー族研究所の研究員をかねている麗水学院の先生らがいろんな方法で集めてきました。
(担当:藍暁芹)
|