旧暦の三月三日はシェー族にとって大事な祝日です。この日にはみんなが集まり、歌合戦をやります。今年の旧暦の三月三日は西暦の三月三十一日、浙江省麗水市ではみんなにシェー族の風俗習慣を知ってもらうため、結婚式の演出が行われました。
東西岩村という小さな村。白い壁に黒いレンガの家々が青い山のふもとに連なっています。小川に沿って小石で作られた道が遠くへ続きます。この道を行列を作って歩く人々がいました。みんなは派手な民族衣装を身に纏っています。先頭に立ったのは太鼓やドラを敲き、チャルメラを吹く人々です。その次の人たちは、肩に天秤棒を担ぎ、前後に大きな竹籠をぶら下げています。そして、お嫁さんの赤い花かご。もちろん、まだ空いています。
道端には黄色い油菜の花が点々と咲いています。
爆竹の音も聞こえてきました。新婦を迎えに来た人々は、いよいよ新婦の家の前に来ました。人出が沢山あり、にぎわっています。あっ、大変です。新婦の親戚は木の枝を持って、迎えに来た人々を止めようとしています。いいや、とめるどころか、押し返そうとしています。しかし、迎えに来た人々のリーダー、50代の男性は微笑みながら、何かを話しました。それで新婦の親戚は家の玄関までの道を空けてくれました。
しかし、玄関に来ても困っています。ドアは少しだけあけられています。迎えに来た人々を入れようとする気配はまったくないんです。
リーダーはもちろん、ドアの後ろに隠れている新婦の味方、女たちの気持ちがよく分かります。すぐカバンから、赤い紙に包まれた「紅包」つまり、お金を入れた封筒を一人ずつに渡しました。
すると、新婦の味方たちはドアを開け、爆竹をリーダーに渡しました。ドアの前の空き地に爆竹がとどろきます。
その後、リーダーは数人の女性を押し分けて、やっと迎えに来た人々を連れて、中に入ります。
1 2
|