儀狄 骨折り損の罰儲け
さて、先週、中国では酒造りの先祖とされている儀狄(ギテキ)の話をしましたね。実はこの儀狄で、骨折り損のくたびれもうけだけではなく運の悪い人だったんですよ。次のはこの林涛がアレンジしたものですから、一部はありもしないこと、誤解しないでくださいね。
中国は大昔、それは春、夏、秋、冬の夏とかく夏の時代。当時は禹(う)という賢い王がいて、その部下に儀狄という聡明が人がいた。禹は儀狄が学識に長け、いろんなことができるのでよい部下だとよく色々なことをさせていたという。
これをみた禹の妃が、禹からのより多くの歓心をかうため、ある日儀狄をひそかに呼んで命じたそうな。
「儀狄や。なにか美味しくて気持のよくなるような飲み物をつくって王をよろこばしなさい」
「は?美味しくて気持のよくなるような飲み物でござりますか?それではウイスキーがありますよ。」
「え?ウヰスキー?どこの?メーカーは?」なんてことは言いませんでしたが、妃の命令とあらば、何とかしないと、この自分のことしか考えない妃のことだから、叱られるどころか、命にもかかわるというので、「はは!分りましてございまする」としぶしぶ下がり、屋敷に戻って考えたという。
「う潤オん。美味しくて気持がよくなる飲み物ねえ。そんなもんがあったら、このわたしがとっくに作ってのんでるわい!しかし。こまったのう。電話で友達に聞いてみようか。それともネットで調べて・・」と調べましたが、ダメ。そこで仕方なく、書斎にこもって資料を集め、これまでの自分のドリンクつくりの経験をも参考に、日にちをかけてやっとこさで、米などを発酵させて香りのとてもいい飲み物を作り出した。そして自分が試しにと飲み、飲みすぎたのかちょっと酔ったみたい。
「うひ潤オ!う潤オん。これはいいぞ。これはきっと王によろこばれるぞ?飲んだ後気持が緩み、うきうきしだし愉快になれるぞ」と儀狄は、頭がふらふらしてきたので、その日はぐっすり寝てから翌日晴れ晴れしい気持で、まずはかの妃のもとへ行き、これも少し飲んで気持ちがよくなった妃と一緒に王のところきた。
こちら王である禹は、目をかけている部下の儀狄が、美味しくて気持がよくなる飲み物を作り出し、もって来たの言うので、「よしよし、味はどうじゃな?」と飲んでみたがとても美味いので、何倍か重ねた。すると気が緩み、うきうきしてきた。
「これはよいのう!」とほめたが、この禹はかしこい王であるだけに、考えた。
「これは美味いが、飲みすぎると頭がはっきししなくなるのう。大事なことを運ぶ時に、こんなものを沢山飲めば、事をあやまり、大変なことになりかねん」とおもった。
「これは美味いことは美味いが、美味いからこそ後世の王がこれを飲みすぎかも。これは国を亡ぼすもとともなる飲み物じゃ!」
「え?国を亡ぼすもととなる飲み物?」
「そうじゃ!金輪際、このような飲み物をつくってわならん!」と叱ったそうな!
そして一生懸命にこの酒を造りだした儀狄は、ほめられるどころが、罰を受けた。その後、王の禹は、この儀狄を遠ざけたそうな。
その後、儀狄は「冗談じゃないよ!あんなに苦労して作ったのに、なってえこった!これじゃ、骨折り損の罰儲けだ。ついてねえ!馬鹿みたあ!」とぶりぶり怒ったそうな!!
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