季節の挨拶、中国酒の種類と起源など（その四）

ーー中国酒の起源と歴史

　中国の酒造りの歴史は世界で最も古く、一説には商や周代に始まり3000年以上もの歴史があるらしいんですよね。一説では、紀元前2世紀の著書「呂氏春秋」には夏の王朝時代の官僚であった儀狄が酒を作ったと記し、漢の時代の「戦国策」という本には、やはり儀狄が桑の葉で包んだご飯を発酵させて作った酒を、当時の王であった"禹"に献上し、「うう潤ｵん！これは美味なもんじゃのう！」感動した"禹"が、何を考えてか、酒で国が滅びるかもしれないというので、酒造りを禁止したとなりますが、なんで！？？その後、この"禹"の予言は当たり、夏王朝最後の皇帝"桀"は酒で身を滅ぼし、国まで滅ぼしてしまったらしいんですが、ホント？そして商の時代でもお酒を飲むことは盛んだったようですね。でも、ある人から聞いたんですが、当時は、長い間にわたって錫を含む銅製の酒器を使ってお酒を飲み続けたために、慢性の錫中毒になり、体力が低下して戦力にならなかったですって。まあ、本にそう書いてるのでしょうから、そういうわけでしょう。

　以上は一説ですが、お酒の起源として次のようにもいわれています。

　大昔の時代には、誰々が酒を発明したので、その人は酒造りの先祖さまだというが、宗代の書「酒譜」はこれに疑問を持ち、この言い方には根拠がない。多くは余計な話だ！と書いてあります。ま、それはいいとして、中国ではお酒は杜康が作ったというのですね。この人も酒の神様といわれ、先に紹介した儀狄と同じぐらいの時代に生きた人です。

　また一説では、お酒の醸造は黄色い帝と書く黄帝、これは、中国古代伝説上の帝王で、別名を軒轅といい，暦算、音楽、文学、医薬、制度文物などを制定し、在位100年で崩じたということです。ま、すごい人ですが、話が脱線しそうなので、戻しますと、どうもこの黄帝の時代に人々は酒造りをはじめ、漢代の本「黄帝内径・素問」には、黄帝が岐伯という臣下と酒造りについて話していたとあり、当時のお酒である醴酪（れいらく）、つまり、動物の乳からできた甘いお酒のことが書いてあったとあります。でもこの「黄帝内径」という本は後世の人が黄帝の名を借りで書いたともいわれていますから、ホントかうそかはまだはっきりしないそうです。なにしろ、考古学者の調査によりますと、今から5000年前の史跡から酒器などが出土しているのですから、大昔であることは間違いないようです。

　でも、多くの今と昔の学者はお酒は大自然が造ったものだとも言ってますね。例えば、宋代の「葵辛雑識」という本には、山で取れる梨を陶器に貯蔵していたところ、それが発酵して酒となったとあり、元の時代の書「蒲桃酒賦」には、容器に入れておいた果物が発酵して酒にかわったとしています。また古来の本「猿酒」には、山猿たちが保存していた果物が、自然に発酵して果樹酒と変わったと書いてあります。

　何はともあれ、この林涛は大自然が酒を造ったように思いますけどね。