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「一帯一路」サミットが5月に北京で開かれました。今から2000年前、アジアとヨーロッパを結ぶ陸上シルクロードと海上シルクロードは、中国と沿線地域の特産品や多様な文化が行き交うきっかけになりました。今、この偉大な歴史を持つ道は再び世界をつなぐことになります。今回の中国メロディーは前回に続き、シルクロードの音楽をお送りします。
海上シルクロードの開拓者・徐福
海上シルクロードの開拓者と言うと、多くの歴史学者は紀元前200年代に活躍した徐福の名前を挙げます。彼は秦の始皇帝の命を受けて、「不老不死の仙薬」を求め、数千人を率いて、日本に渡ったとされています。
そんな徐福が辿った海上シルクロードは東海航路と呼ばれ、また、マダガスカル、ハワイ、ニュージーランドを巡る航路は南海航路と呼ばれます。つまり、当時の人々は卓越した航海経験と冒険精神を持って、太平洋やインド洋にも足跡を残したということです。
海上シルクロード文化を繋ぐ媽祖
今から1000年前の唐の時代には、西域、ユーラシア地域の戦乱によって陸上シルクロードが中断せざるを得ない状態になったため、海上シルクロードは繁栄期を迎え、当時の中国の主要な対外交流の道となりました。
「海があれば、きっと中国人がいて、中国人がいれば、媽祖のお寺がある」という諺があります。媽祖とは中国南東の沿海一帯にいるとされる伝説上の海を守る女神です。媽祖の起源は宋の時代の若い女性で、生前は波風を恐れず、航海する船のために誘導して、最後は海難に見舞われる人を救うために犠牲になりました。そんな媽祖の伝説は中国人の足跡に伴い、海上シルクロード沿線の数十カ国に伝えられ、特に東南アジア諸国の多くは媽祖文化を信仰しています。今ではそんな媽祖は、海上シルクロード沿線諸国の文化の絆となりました。
海上シルクロード出発地・泉州
泉州は中国の海上シルクロードの出発地で、宋と元の時代には中国随一の港町として、エジプトのアレクサンドリアと並び世界の港と称されました。ところが、明の時代になると、鎖国令によって泉州は徐々に衰退していきます。しかし、そんな泉州の清源山の麓にある南少林寺は、不思議な武術の魅力によって今でも世界各地の武術愛好家を惹きつけてやみません。
1000年前に建てられた南少林寺は栄枯盛衰を繰り返しながらも、その勇猛な南少林武術は1000年の間に中国武術において唯一無二の存在となりました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 天下一支歌(天下が一つの歌を歌おう)
この歌はテレビドラマ「始皇帝」の挿入歌で、秦の始皇帝が天下を統一する大きな志を歌っています。
歌詞:
一人で名月に酒を飲み
心の中で黄河の波が激しくぶつかり合う
神州各地の心が一つになる
天下が一つの歌を歌おう
2曲目 媽祖(マソ)
この歌はテレビドラマ「妈祖」の挿入歌です。
歌詞:
古代の船の帆がもう見えなくなり
美しい物語が今、伝えられる
風と波の中から優しい呼びかけが伝わってくる
媽祖はいつも私たちと一緒に
永遠の無事を祈る
3曲目 「少林、少林」
曲は1980年代の映画「少林寺」の挿入歌で、少林寺の輝かしい歴史と文化を称えています。
歌詞:
少林、少林、多くの英雄があなたに憧れる
少林、少林、多くの不思議な伝説があなたを讃える
素晴らしい武芸の右に出るものはいない
悠久の歴史、名声が天下に広まる
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