5月15日、「一帯一路」サミットが北京で開かれました。今から2000年前、ユーラシアとヨーロッパを結ぶシルクロードは、中国と沿線地域の特産品や多様な文化が行き交うきっかけになりました。今、この偉大な歴史を持つ道は再び世界をつなぐことになります。今回の中国メロディーは前回に続き、シルクロードの音楽をお送りします。

シルクロード再開の英雄

　73年、後漢の兵士が広々とした西域の草原を抜けて、イウル城に到着したところ、突然、匈奴の待ち伏せに遭ってしまいます。しかし、後漢のリーダーは危険にさらされても慌てることなく、卓越した軍事的才能を発揮して匈奴の部隊を破りました。この後漢の部隊を束ねていたのは班超と言います。

　その後、班超は使節として鄯善へ向かう中で匈奴の使節を打ち取り、また部隊を率いて亀茲と莎車の連合軍を破り、匈奴を西域南部から北部に追い出して、シルクロードを再び開通させることに貢献しました。この後、班超の名前は永遠にシルクロードに刻まれることになります。

東方見聞録

　13世紀、イタリア・ヴェネツィアの商人・マルコ・ポーロは父親と叔父と共に4年間の艱難辛苦を乗り越え、シルクロードを経由して、元の首都である大都、今の北京に到着しました。街の賑やかな光景に魅了されたこと、元の皇帝・フビライと謁見したことなどを帰国後に、『東方見聞録』として口頭で旅行記を編纂しました。

　『東方見聞録』によると、この神秘的な東方の都には世界各国から数多くの商品と宝物が集まり、どこに行っても賑やかな街、立派な建築、歌い踊る太平の世だと伝えています。

シルクロードの都・西安

　陝西省の中心地・西安は漢、唐の時代の都・長安の所在地です。1000年前、この都市はシルクロードで最も有名な都市で、世界各国の商人が夢を求める町でした。当時、陝西省の地方劇である皮影劇（影絵芝居）は東方文化の代表として、シルクロードを通して、ユーラシア諸国、ヨーロッパへ伝えられ、各国が東方文化を理解する窓口となりました。

　中国の長安から地中海にかけて人や文化、自然環境が異なりますが、シルクロードは沿線諸国の人々の生活と文化を結びました。そして、今、これまでのシルクロードの伝統文化から力を受け継ぎ、更なる幸せな生活が「一帯一路」から始まることになります。

番組の中でお送りした曲

　1曲目　絲路（シルクロード）

　この歌はナーインが2015年中国の年越し番組「春晩（春節の夕べ）」で歌ったもので、「一帯一路」が間もなく始まることを示唆しました。

　歌詞：

　あの明るい月　この道を照らしている

　遠くからラクダの鈴の音が聞こえる

　今、再び出発する　

　万里の旅は

　天の果てに通じる

　2曲目　十二木卡姆（十二のムカム）

　歌詞：

　12の川が古くから伝わり

　私の心に集まる

　天山山脈のオアシスはまるで真珠のよう

　幸せが人々の顔に現れる

　3曲目　华阴老腔（華陰の調べ）

　歌詞：

　八百里の秦川

　美しい風景

　故郷への愛よ

　語りきれない

　声を張り上げて

　思う存分歌おう