中国人自費留学生の日本での生活を取り上げたドキュメンタリ・シリーズ『小さな留学生』(2000年、フジテレビで放映)の制作者たちによる最新作・『泣きながら生きて』が11月3日21:00~23:12、フジテレビ系全国ネットで放映することになりました。
日、中、米三カ国で10年間かけて撮影、素材テープだけでも500時間。「泣きながら編集をしていた。家族とは何か、男とは何かを皆と一緒に考えたい。作品を通して、日中の一般国民の相互理解が促進できれば」、と企画・撮影担当の張麗玲(ちょう・れいれい)さんが振り返ります。
元女優、現在は株式会社・CCTV大富(http://www.cctvdf.com)社長の張麗玲さん自身も1989年に渡日した自費留学生。日本で体験した数多くの不安や暖かい励ましを胸に、「いつか自分たちの留学生活を映像で記録したい」と強く願っていました。
「カメラを貸してください」。彼女の情熱的な言葉に意欲的に動き出したのは、フジテレビの横山隆晴プロデューサーでした。それがきっかけで、2000年から『小さな留学生』、『若者たち』、『私の太陽』、『中国からの贈りもの』を相次いで送り出し、フジテレビのゴールデンタイムで上映され、平均視聴率20%の記録を残しました。
その内、『小さな留学生』が第27回放送文化基金賞のテレビドキュメンタリー賞、個人企画賞をダブル受賞。同じ素材に基づいたシリーズ作品は日本での放送前に、中国全土のテレビ局でも放送され、中国人の日本を見る目を変えたと言せたほど大きな感動を呼びました。
「一つの作品に十年もかけることは、これからはもうできない。これで卒業作にしたい」、と張さん。中日の政治関係にも緩和な兆しが現れてきた今、ドキュメンタリ・シリーズの最終章に位置づけられ、渾身の力が振り絞られて作った今回の新作も、日本人に中国人の内心を観察する良い材料を提供するに違いありません。
■■あらすじ■■
1989年、35歳の丁尚彪(てい しょうひょう)さんが妻とまだ小学生の娘を上海に残し、北海道・阿寒町にある日本語学校に向かい、一人旅発ちました。文革中、大学に行けなかった夢を日本でこそ実らせたい、との期待を胸に抱いていました。ところで、学校の入学金と半年分の授業料は42万円、当時の中国では莫大な金額でした。
借金返済に追われる丁さんはまもなくして、阿寒町を脱出しました。東京でやむなく不法滞在な身になった彼はついに自分の夢をあきらめたが、一人娘にこそ立派な人間になってほしいとの一念でした。娘のアメリカ留学の学費を稼ぐため、その後も黙々と汗水をたらして東京で忍びながら暮らし続けていた丁さん。果たして、彼と彼の家族のその後は?(詳細は11月3日21:00~23:12、フジテレビ・金曜プレステージをご覧ください。)
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