アフリカ南部のジンバブエで21日、議会下院のムデンダ議長が、ムガベ大統領の辞任を発表しました。

　ムデンダ議長は、この日の上下両院の合同会議で、ムガベ大統領の書簡を読み上げました。「即時辞任する。円滑な権限移譲を望み自ら辞任を決めた」とのことです。当時、両議院でムガベ大統領の弾劾決議案について審議が行われていましたが、この辞任発表により審議は中止されました。ムデンダ議長は「議会は法律に従い、22日に次期大統領の選出方法を決める」と表明しました。

　ジンバブエでは、今月15日未明に軍が行動を起こして、主な政府機関などを支配しました。軍の報道官は、「与党の犯罪者を捕まえ、処罰するためだ」と目的を説明しました。

　ジンバブエの与党のアフリカ民族同盟愛国戦線（ＺＡＮＵ―ＰＦ）は19日に緊急会合を開き、ムガベ大統領の党首解任を決め、20日正午まで大統領を辞任するよう求めました。「辞任を拒否した場合、弾劾手続きを始める」と強調していました。しかし、20日を過ぎても本人から発表がなかったため、議会に対しムガベ大統領の弾劾決議案を提出していました。（殷、森）