チベット自治区の歴史ある町・江孜（ギャンツェ）県。百年以上昔、ここ江孜の人々はイギリスからの侵略者を紅河谷で迎え撃ちました。この出来事から、江孜は「英雄の街」と称えられました。そんな江孜は、「チベット絨毯のふるさと」としても知られています。

　寒冷地帯に位置するチベット高原では、遊牧時代から羊毛絨毯が必需品です。江孜産のチベット絨毯はチベット屈指の名物で、明と清の時代になると、チベット地方政府が朝廷に献上する主要な献上品にもなりました。900年以上の歴史を持つ江孜チベット絨毯は丈夫で耐久性に優れ、その民族らしさに富んだ図案は美しく鮮やかです。その製造技術レベルは今でも向上が続いており、国内外を問わず人気です。

　（hj　謙）