CRI日本語部の劉睿記者が、チベット自治区の林芝（ニンティ）地区を11日間に渡って取材してきました。今日から数日間、ありのままの人情や風景を連載でお伝えしていきます。劉記者の前回のチベット自治区入りから5年が経った今、その変わらぬ美しい姿と急成長を遂げた姿を過去の記事と比較しながらお楽しみください。

　林芝はその恵まれた地形と気候に囲まれているほかにも、豊富な植物資源を有しています。中でも、最も有名なのは、「霊芝」です。霊芝は中医学の中でも貴重な薬として扱われてきており、健康への注目が高まっている昨今の中国では国内ニーズも高まっています。その霊芝、比較的海抜の低い林芝市周辺の山間部でも野生の天然ものを取ることができますが、収穫量が限られているため、近年では貧困扶助の一環として政府がスタートアップ資金、技術及び研修を提供する形で地元住民への支援を行なっています。

　さて、僕が今回取材に訪れたのは、林芝市郊外にある巴宜朗欧村の霊芝栽培の現場です。ここでは貧困扶助プロジェクトの一環として、地元政府が2016年6月に約22万元を援助、栽培地周辺の整備とビニールハウスの建設が行われています。それまでは都会に出稼ぎに出かける人が多く、村全体の人口減少や若い労働力の流出に悩まされていましたが、霊芝栽培のプロジェクトにより、扶助対象とされていた7世帯は全て貧困から脱却し、村全体の47世帯の収入も大幅に増加しました。今では何度、霊芝の出荷がニーズに追いつかなくなっており、来年からは施設の増築と養殖にも乗り出す予定だそうです。

　（取材・写真：RYU）

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