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日本の民間団体、アジアの戦争犠牲者への追悼を首相に要求

2016-12-28 14:40:57     cri    

 日本の安倍晋三首相とアメリカのオバマ大統領が27日、ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館で献花し、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しました。安倍首相は「今回のハワイ訪問で慰霊するだけで、アメリカへ謝罪できていない」と何度も強調し、「歴史戦は自分の代で終わらせたい」としました。しかし、旧日本軍が中国を含むアジア各国にもたらした重大な人員と財産の損失については、安倍首相は度々わざと回避し、日米が和解すれば、まるで日本が多くの国に対して侵略戦争を起こしたという不名誉な一ページをめくって次に進められることができるかのようです。これについて、日本の民間団体「村山談話を継承し発展させる会」が27日に記者会見を開き、歴史を直視し、アジア各国の犠牲者も追悼するように日本政府に求めました。

 「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は、「日本軍による1941年12月4日の真珠湾攻撃で米兵が約2400名死亡した。しかし、中国の南京での日本軍の大虐殺でいったい何人が殺されたのか?あるいはマレーシアでのあの中国系華僑の虐殺で、どのぐらいの人が殺されたのか?あるいは中国黒龍江省ハルビンにある731部隊の生体実験と中国各地における細菌戦争により、どれほどの犠牲者を出したのか?南京、ハルビン、マレーシアとアジア各地における犠牲者の数は、真珠湾における犠牲者よりはるかに超える膨大なものであると歴史が証明している。安倍首相が真珠湾へ慰霊に行くのなら、真珠湾をはるかに超える犠牲者を出した南京、ハルビン、マレーシア等にも追悼に行くべきだと思う。米国の犠牲者は慰霊するが、アジアの犠牲者の追悼を無視するのは断じて許されることではない。一国を代表するリーダーである内閣総理大臣が、先の大戦で侵略されたアジアを訪問することの意義は極めて大きい。安倍首相の慰霊の旅が真珠湾で断絶・終了するのではなく、より甚大な被害を受けたアジアへの侵略戦争の被害地への訪問をすることを強く要求したい」と語りました。

 琉球大学の高島伸欣名誉教授は、「もう任期が切れることになったオバマ大統領とハワイで面談し献花することに、どれだけ意味があるのかという疑問が一般に持たれている。それに対して十分な説明がされておらず、どう見ても両首脳の外交、国政についての国内からの批判を逸らそうとする政治的意図が根底にあるのではないかと思う。そうした国政の失策から関心を逸らさせるために、戦争犠牲者の魂や遺族の心情が政治的に利用されるということは我々は許すことができない。安倍首相の場合は、今回の行動をもって戦後政治の総決算あるいは『歴史戦』を自分の代で終わらせるという未来志向の取り組みの一環とするという意味づけをしきりに繰り返している。しかし、安倍首相自身の歴史認識が非常に未熟なことは、これまでの数々の言動から広く知られていることであるため、説得力がまったくない」と話しました。

 安倍首相は侵略に対する明確な学術的・国際的定義がないため、第2次世界大戦前後の日本の行為を「侵略戦争」と定義できないと主張していることについて、藤田理事長は、「私はあの戦争で日本軍が中国にどれぐらいの兵隊を送ったのか調べてきた。累計すると1000万を超えている。関東軍だけでも何十万人と言われてきた。侵略戦争の定義は国連でもあり、その戦争的な定義もさることながら、人間の常識として他国に10年、20年、数十年に1000万を超える軍隊を当時の中華民国の首都に送り込んだ。そして、そこを侵略して多大な殺害と女性への暴行、略奪を行って、そうした行為はいったい何なのか。これは侵略ではなくて、何なのか。これは常識的なものだと思う。安倍首相は1993年の初当選以来、一切『侵略』を使ったことがない。総理となってから、何度も何度も野党の議員がその戦争は侵略と認めないのかと求めたが、彼は一切認めていない。認めないというのは侵略と思っていないとしかいいようがない。他国に1000万を超える軍隊を送って、人を煽動し大虐殺をして、それが侵略でなくて何なのだろうか。それを絶対に侵略と言わない総理大臣はいったい何なのだろうかということを改めて日本国民として問わなければならないと思っている」と話しました。

 記者会見に出席した数人の教授は、安倍首相がアジア各地へ行って戦争犠牲者を追悼するという助言を聞き入れるかどうかということに関して自信がないようです。一橋大学の田中宏名誉教授は、「今度の場合、安倍さんは犠牲者を慰霊するというのを表題にして、戦争被害者のことに行動を起こすのが初めてじゃないかと思う。犠牲者を慰霊すると銘打って、総理大臣が動くのであればそれはアジアに対する加害者の責任問題が明らかである。だからこそ、ぜひメディアの人には、今回は犠牲者を慰霊するということを言っているが、今後、犠牲者に慰霊しなければいけないところはどこにあるかということを安倍さんに聞いてほしいと思う。そして、今までと同じような趣旨で、犠牲者を慰霊するというのはどういう意味があるのかということについて、安倍さんがなんと答えるのか知りたいというのが私の素朴な疑問だ」と話しました。(ZHL、星)

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