現地時間3日、イギリス高等裁判所は「欧州連合（EU）離脱プロセスのスタートには議会投票が必要だ。政府が決定するものではない」という判決を出しました。これによりイギリスのEU離脱は一転して不透明な先行きとなりました。

　イギリスは6月の国民投票によってEU離脱を決めたものの、EUとの関係に関する争議が続いています。そのような状況についてメイ首相はこのほど、「政府は国王大権に基づき、議会の批准なしでEU離脱プロセスをスタートできる」と主張し、来年3月末までに交渉を正式に開始すると決定しました。一方で、一部の有識者が、こういった政府の対応は憲法違反であるとして、高等裁判所に訴訟を起こし、今回の判決が出ました。

　イギリス政府は上訴しましたが、新たな判決が出るまでの期間、EU離脱プロセスは凍結することになります。（朱、謙）