中国の李克強総理は今年の政府活動報告の中で、2016年の中国の経済成長率の目標値を、6.5−7%とした。海外メディアは、中国は経済成長範囲を設定することで、一定の調整の余地を残しており、政策の柔軟性とモデルチェンジの決意を示したと判断した。
フィナンシャル・タイムズは、この目標値は世界のエコノミストから広く支持されており、中国政府が経済成長および改革の促進のバランスを求めていることが分かると指摘した。
李総理は政府活動報告の中で、今年は適度に財政赤字を拡大し、財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%にするとした。フィナンシャル・タイムズは、この数値は中国政府が低効率かつ資本集約型産業という成長モデルを変え、減速する経済を下支えしようとしていることを反映したと分析した。
また、「中国政府はバランスを求めている。財政刺激策を打ち出すが、既存の債務問題にも注目するだろう」という東方証券チーフエコノミスト・邵宇氏の見方を報じた。
ロイター通信は、中国は経済減速の大きな圧力が残されるなか、経済成長目標の明確な範囲を設定したと伝えた。これは政府のマクロ調整の余地を残し、市場の景況感をリードする。
AP通信は、中国政府は成長目標の範囲を明らかにしたことで、市場の焦燥を払拭し、自信を高めようとしたと分析した。これは中国政府の経済モデルチェンジの実現に向けた決意を反映している。
読売新聞は、中国は財政支出の拡大と金融政策の実施により、安定成長の目標を実現しようとしているが、これは市場を安心させたと指摘した。
海外メディアは、経済モデルチェンジは容易なことではないとしている。中国政府は生産能力と在庫の解消、デレバレッジ、コスト削減、脆弱分野の補完、革新と創業を奨励しているが、この措置は奏功している。中国経済の質と効果を高め、次の段階に向け邁進させている。
毎日新聞は、中国経済が「新常態(ニューノーマル)」に入った後、正確な目標と方針が示されたと報じた。成長率のみで中国経済を判断することはできない。重工業を支柱産業とする北部地区は不景気だが、南部地区の経済は繁栄しており、サービス業を中心とする「新経済」が好調だ。全面的なアングルから、中国経済を観察しなければならない。
中国の一部産業と地区で調整が行われているが、企業リスクコンサルティング会社のコントロール・リスクスのアジア担当者は、「中国各地の経済状況は不均衡で、一部の地域の経済は苦境を迎えているが、一部の地域では目覚ましい成長を遂げている。江蘇省の一部の民間サービス企業の業績を見るか、上海の研究開発団地を視察すれば、中国は依然として2桁台の成長をキープしていると感じるだろう」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」より
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