中国外務省の陸慷報道官は30日の定例記者会見で、「中国は欧州連合（EU）が『中国の世界貿易機関（WTO）加盟議定書』第15条の義務を期限通りに果たすよう希望する」と述べました。

　これは、イギリスの『フィナンシャル・タイムズ』の報道に対して述べたものです。報道では、アメリカの政府職員はこのほど、何度も中国の市場経済地位についてEUと話し合い、中国に市場経済地位を与えることは、一方的にEUが中国に対する貿易防衛を解除する意味になり、アメリカとヨーロッパ市場での中国企業のダンピングを防止する努力を妨げることになる可能性が高いと指摘しています。

　これに対し、陸報道官は「この問題は、WTO加盟国が『中国のWTO加盟議定書』の義務を果たすことと関連する。『議定書』第15条によりますと、WTO加盟国が中国の輸出商品反ダンピング調査で『代替国価格』を使用することは2016年12月11日に中止すべきだ。条約を必ず守ることは国際法の基本原則であり、いかなる締約国も国内法を理由に国際条約で果たすべき義務を履行せず、中国企業に不公平かつ不合理な差別行為をとってはいけない。国際貿易システムの粛厳性を保護し、維持することは、WTO加盟国の共同責任であり、各国の共同利益にも合致する」と強調しました。（怡康、Kokusei）