国連安全保障理事会は9日、リビア沖の地中海で活動する密航業者取り締まりに関する決議を採択しました。

　決議は、リビア発の密航と人身売買の疑いがある船舶に対し、船籍国同意の下で、臨検、拿捕等の取り締まり措置を行う権限を加盟国に授与するものです。安保理では、この決議と同時に、地中海で数百人規模の密航者死亡事件が相次いでいたことについて、深い遺憾の意を表しました。

　この決議に賛成票を投じた中国の劉結一国連大使は、「不法移民問題の原因は複雑である。国際社会は極端な貧困、社会不安、軍事衝突などの根本的な解決を図る施策を考えなければならない。同時に、当事者国への尊重、都市と地方との意思疎通と調整等についても配慮が必要だ」としました。（ジョウ、向）