中国西部の観光スポットである新疆ウィグル自治区は、多くの内外観光客を引き付けています。毎年の５月から１０月にかけては、新疆ウィグル自治区の観光の季節です。内外の観光客は新疆を訪れ、雄大で、奇妙きわまりない大砂漠ゴビや美しい山河を堪能します。このほか、新疆にいる各少数民族の豊富多彩な民俗風習を味わいながら、新疆各地の特色のある一品料理も楽しむことが出来ます。

　新疆ウィグル自治区の中心地であるウルムチ市には、『五一星光』という夜市があり、この夜市では、新疆各地、各民族の特色のある美味しい一品料理が食べられます。  

　『五一星光』という夜市では、５０万個もの照明がまるで銀河のように光輝いでいます。いたるところで、賑やかな売り声が聞こえています。また、羊肉の串焼きの香りも漂っています。夜のとばりが降りますと、人々は、ここに集まりテープルを囲んでビールを飲んだり、地元の一品料理を味わいながらおしゃべりしたりしています。外国のお客さんも少なくありません。外国人観光客は夜市の食べ物の美味しさをほめています。

　新疆ウルムチ市の『五一星光』という夜市は、特色のある地元料理を楽しめる新疆で初めて開設された夜市で、現在、新疆最大の夜市となっています。ここには、５００あまりの露店が設けられ、毎日平均２万人ものお客さんがここに集まります。

　この夜市に露店を開いているの殆どは再就職した一時帰休者です。王志華さんもその中の一人です。1992年夜市がオープンした時、王志華さんのお店は、二つのテープルしかない小規模なものでしたが、今では、夜市で有数の大きな店になりましたの規模も大きくなっています。

　北京時間夜８時ごろ、夜市が始まり、王志華さんも従業員と共に準備作業を終えると、お客さんが直ぐやって来ます。

　今年、40歳で、はやりの髪形をし、実際年齢より若く見える王さんは、露店を経営する前は、ある企業の人事部門で働いていましたが、企業の改革で一時帰休者となりました。企業の指導者は、勤勉で、料理が上手だった王さんに、夜市で、商売をするよう勧めました。

　王さんは「夜市で何をすればいいのか分かりませんでした、手に職もないので、やって見たいという気持ちだけで、チャレンジすることにしました。」と述べました。

　初日に、王さんは、5キロの羊肉と38個の羊の内臓を買いこみ、商売の準備作業を早く終わらせ、日が暮れると、串焼きの道具を夜市に運び、小さいな露店を開きました。恥ずかしくて、知り合いに会わないかびくびくしていたそうです。

　王さんは「初めての商売では、特に儲けはありませんでした。また、翌日そんなに変わりませんでした。」と語りました。

　その時、王さんは、串焼きを何種類か用意することにしました。例えば、羊肉の串焼きのほか、魚や羊の内臓などを串焼きにしました。串焼きの味をもっと美味しくするために、玉ねぎやニンジンを細かく切って肉や内臓と一緒に串にさしきました。

　三日目、羊の内臓の串焼きが売りきれ、２７元儲かったのです。当時毎月の生活補助金２００元しかもらえなかった王さんは、この日うれしくてたまりませんでした。

　1994年夜市の露店が300軒あまありに増え、訪れるお客さんもますます多くなってきました。その中でも、王さんの串焼きは美味しい、口当たりも良いと好評でした。その売り上げも年々増えました。お客さんは、王さんを「羊肉串焼きの女王」と呼んでいます。お客さんの異なる味覚に合わせるめ、王さんは、串の種類をさらに増やしました。例えば、にんにく、ピーマンを羊肉と一緒にさしたもの、ニンジン、玉ねぎとさしたもの、羊の腎臓、玉ねぎ、ニンジンと一緒にさしたものなどいろいろあります。新しい組み合わせができたら、必ずお客さんに無料で試食してもらっています。

　友だちの提案で、1998年末、王さんは羊肉串焼きの作り方の特許を申請し、1999年3月19日、特許証明書を貰いました

　骨身を惜しまず働いている王さんは、家族を養しなうだけでなく、何人かの失業者の就職を引き受けました。王さんの露店で10数年間働いているウィグル族青年エリさんは「王さんの露店で１０数年間働いています。王さんは生活や仕事の面で私を支えてくれ、串焼きの技術を教えてくれました。私は『羊肉串焼きの王様』という称号を引き続き守っていきたいと思います。」と述べました。

　今では、豊かな生活を送っている王さんは、周りの生活困難な人々を助け、常に孤児や老人、身体障害者の家を訪ね、米などの食糧や食用油などの日常生活品を送り届けています。王さんは、「今日幸せな生活を送れるのは政府のおかげです。困難な人々を忘れることが出来ません。他人を援助することは自分の生活の一部です」と述べました。暇があれば、王さんは歌、ダンス、そして、古筝を弾いて過ごします。