新疆は長い刺繍の歴史を持っています。ここにある今から2600年前の春秋戦国時代の墓から刺繍が施され、長生きして子孫繁栄といった意味の「延年益寿大宜子孫」と書かれた絹織物が発見されました。この長い歴史をもつ伝統工芸は今も受け継がれています。今日のこの時間は新疆の有名な「刺繍村」を覗いてみましょう。
新疆ウルムチ市葡萄郷は有名な刺繍村です。葡萄郷の村長で刺繍協会のアブリミティ・ニザム副会長は「去年、ウルムチ市が葡萄郷で刺繍協会を設立した。協会には1241人の女性が応募し、20種類あまりの刺繍製品を制作した。これらの刺繍製品は国内市場だけでなく、日本、カナダ、アメリカなど海外にも輸出している」と述べました。
葡萄郷の刺繍作品の中で、ウィグル族のアイシャムグリさんが製作した刺繍製品「十二支」は漢民族の伝統文化の特色が溢れています。アイシャムグリさんはこの刺繍作品を次のように紹介しています。「ここ数年、海外からの観光客が多くなって来た。私はウィグル族の刺繍の技法で漢民族の伝統文化を表現したい。海外の人たちに各民族の文化が相互に浸透し合う新疆の独特な文化を見てもらいたい」
新疆では地元の各民族の文化が相互に浸透し合うだけはありません。シルクロードを通じて、東洋の文化をヨーロッパに伝える一方、西洋の文化を中国に導入してきました。新疆ウィグル自治区博物館の考古学専門家・王博さんは「新疆で出土した織物はかなり多いが、文字が記載されているものは少ない。出土した絹織物は当時の織物の最高レベルを示すものだ。私はこれらの織物は新疆当地で制作されたものではなく、中国内陸部やローマ、ギリシアなどから入って来たものだと思う」と述べました。
数百年にわたって伝統的な刺繍技法が葡萄郷で伝えられてきました。地元のほとんどの女性は少女時代から刺繍の技術を学び始めます。46歳の刺繍名人・グリ・エセリハンさんは、「27年前、私は母について刺繍の技法を学んだ。今、私はこれらの技法を娘と息子の嫁に教えている」と紹介しました。
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